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第6章の8←マリアの君の知られざる真実?
かつて対バンだった仲間も少しずつ、インディー・デビューしたりして、疎遠になりかけたのも食い止められたような気がした。
しかし、デビューアルバムの売り上げが五十万枚と発表され、初のライヴビデオが初登場でチャート一位に輝いた頃から、マリアは不愉快な噂を聞くようになった。
おべっかマリア。
ZENNと『ビジュアリズム』の表紙の通りの関係を持ち、デビューを手に入れた…
そして、それに深く傷ついている自分が、マリアは腹立たしくて仕方がなかった。
確かに、自分はZENNと寝ている。
だがそれでデビューができたわけではないと、マリアは自信を持って言い切れる。
実際、MOONは技術もセンスもギルティーのスタッフには認められていて、後ろめたい部分は何もない。
彼にあんな趣味がなければ噂になるほど彼の部屋に行くことはなく、他の先輩のように、適度な距離を保っていただろう。
ルックスの良さだけで女の子にキャーキャー言われているバンド、ZENNに拾われたシンデレラ・ボーイ達、そんな世間のねたみ、そねみをバンドがぶつけられるのはすべて自分のせいなのか。
しかし、最初はどうあれ、今となってはZENNを心から慕ってしまっているマリアには、なすすべもない。
他のメンバーも自分のためのバッシングとわかっていたのではないかと思うと、さらにマリアは苦しかった。
思えば、最近ではMIKUもシヴァも元気がなかった。それはもしかすると…
マリア以上に驚いたのは麗華だった。
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