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第5話 デート
「ねえ兄さん。」
「ん?」
行為のあと、中と部屋の掃除を終わらせた僕は兄さんが突っ伏しているベッドへと腰掛ける。僕が声をかけると兄さんはむくりと起き上がって、僕の膝に乗っかる。
「今日さ、遊園地に行こうよ。新しいアトラクションができたんだって。兄さんが好きな絶叫系のやつ。どう?」
兄さんの触り心地のいい髪を撫でながら、僕は兄さんに問いかける。
「お前、学校は?」
髪を撫でる僕の手に頭を擦り付けながら兄さんが訊き返す。
「今日は休みだよ。それに、今日はあの男は仕事だから自由だ。」
「あの男」という言葉に、兄さんが一瞬ビクッと身体を強張らせる。
「大丈夫。いないよ。それに、いたとしても僕が兄さんを守るから。」
そう。もうすぐだ。兄さんを救い出すのにもう時間はかからない。もうすぐ、全てが終わる。
「だから、大丈夫だよ。」
もう、無力な子供じゃないんだ。
「ね、どうする?」
兄さんに再度尋ねる。
「行く。行きたい。秀磨と一緒に。」
そう言って、兄さんが僕を見上げる。
「じゃあ、行こっか。久しぶりにデートしよう、兄さん。」
「うん!」
そう言って、兄さんと再びキスをした。
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