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最終章 永遠に 【2】来世も来来世も永遠に
宮殿に戻り宮廷医師の診断を受けたボクは注射を断固拒否し、麻痺が残っていた体も数日で元に戻った。
オーディンとバルコニーのカウチに座り、温暖なシアーズの陽光を浴びる。
「ねぇ、オーディンはいつから知ってたの?」
前世のこと、神との約束のこと、オーディンはどうして知りえたのか不思議だった。
「私がシルヴィのことで知らぬことなどない」
眩しいばかりのイケメンがとろけるような微笑みでボクを抱き寄せる。
たくましい熱い腕がボクの顎をとらえ、確認するかのように口づけを落とす。
額に、瞼に、鼻先に、頬に、顎に……
そこじゃないよと不満にとがらせたボクの唇に、ようやく授けられる口づけは小鳥のついばみのように優しいものだった。
あれからオーディンは前以上にボクを壊れ物のように扱う。
「シルヴィは独り言が多いんだよ」
ボクの髪をなでながら楽し気に言う。
「あと寝言もな」
なんてこった、寝言でばれてたとは思いもしなかった。
「だがエーリスへ他国が侵攻しているという情報には騙されたな」
エンディミオン叔父が嘘の情報でオーディンを引き付けてくれたおかげで、みっともないであろう死ぬ瞬間を見られずにすんだんだ。
「ごめんね…エンディミオン叔父を叱らないで?」甘えるようにオーディンの背に手を回し抱き着く
「黒服まで懐柔しているとは思いもしなかったぞ?悪い子だな」再び口づけが降りてきた。
浅く口づけては離れるを繰り返す。ボクはそれだけで欲情してしまう。
けれどオーディンはそれ以上進もうとはしない。まだ怖いみたいだ。
だけど……
ボクはオーディンの手を取り下肢に導く。
そこには立ち上がりかけたボクの分身。オーディンが目を見張り、咎めるように言う。
「シル……ダメだ、まだ体が本調子ではないだろう?体重も戻ってはいない」
「もーだいじょうぶだから、お願い…、ボクにオーディンを感じさせて?生きてるって実感させて欲しい」
下半身をこすりつけるようにして恥ずかしいお願いをする。あれから2週間もたつのにキス以上をしようとはしないオーディン。こうでもしないと永遠に抱いてくれないような気がするから。
「コレクション部屋で一人でしてるんでしょ」 頬を膨らませ文句を言うボクから目をそらした。図星か!?
「ボクだって……溜まるんだからね?ボクにも一人でしろって言うの?」
タイマーが出てから1度も出してなかったソコが苦しい。
オーディンの下肢を見るとソコは突き破らんばかりに布を押し上げている。
「もう。恥ずかしいお願いをさせないで?」
布越しにソコに触れ、なでるようにするとオーディンが苦し気にうなった。
「ううぅ…そんな可愛いおねだりをされたら私の我慢が…」
「なんの我慢さ、もー早くベッドに連れてって!」
焦れたボクが肩をドンと突くと、ようやくお姫様抱っこをしてくれてベッドへと連れて行ってくれた。
相変わらずベッドにデーンと陣取る【タカハシサン】をボクがベッド下へと落とすと、後ろからオーディンが抱きついてきた。
「うわっ!?」
ギューッと抱きしめられ項に息を感じる。何も言わず抱き着いたままのオーディン。
胸元に回された腕をヨシヨシとなだめるように擦る。
「神に頼まなかったのか?現世に戻りたいって…」 消え入りそうな声で聞くオーディン
「その勝負は負けたからね」 くすぐったくて身をすくめる。
オーディンに向き直り顔を見つめる。
相変わらずカッコイイけど少し痩せた?ボクの心配ばかりしてたせいかもしれない。
「ボクは現世に戻ることよりもオーディンを選んだんだ。ボクが自分で選んだ負けだから後悔はしないよ」
オーディンが苦しそうな顔をしながらも頷き強く抱きしめてくれる。
「でもね2回目の勝負はボクの勝ちだからね。うーんとお願いしといたから」
(オーディンが死ぬその時まで寿命をください)
(来世も来来世も永遠にオーディンと一緒の時に転生させてください)
「なんて願ったんだ?」
「ひみつだよ~♪」
それ以上深く聞こうとしないオーディン。寝言でバレないように気をつけなきゃだ。
「ボクは何度生まれ変わってもオーディンを見つけるよ、どんなに姿が違ったって、オーディンが気づかなくたっても絶対に。」
離れない、どこにいったとしても繋いだこの手は永遠に離しはしない―――――
「オーディン愛してるよ」
fin
完結しました。
明日からおまけ話を投稿します。
あとしばらくお付き合いいただけたら幸いです。 angel
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