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第6話
膨らむ腸壁に恐怖を感じ、大和は目を大きく開いて目の前の佐賀島に叫んだ。だがいくら懇願しても佐賀島は表情一つ変えず、寧ろ真剣な眼差しでもう一つボールを掴んで大和の後孔に近づける。
「や…っ、やだっ、やだやだやだっ」
新たな感触に怯え拒む大和を物ともせず、鷲掴みに開いた中心に、少し力を籠めただけでちゅぷっと音を立ててそれは大和の中に埋まり、器用に飲み込んでゆく。
佐賀島は思わず失笑した。
「貪欲なお口ですね大和さん、お腹が空いていたんですか?」
「ちっ、違っ…くち、とかっひきぃっ!」
徐々に数を増やすボールの、腸壁に与える圧迫感は幾ら佐賀島の物より小さいとはいえ計り知れない。異物の挿入に困惑を抑えきれない大和はしかし、3つ目か4つ目のボールが下の口を通過した瞬間、己の身体がビクッと反応し、佐賀島の肩を掴んだまま暫くそのまま動くことができなかった。
「…っ…っ?!」
何が自分の中で起きているのか、大和には理解ができなかった。目を見開いたままの震える大和の先端から、トロッと液体が零れ出る。
「おや、良いところに当たったようですね」
会陰に指を滑らせると、硬く膨らんだその先がキュッと窄まるのが分かる。
幾つか飲み込んでしまった所為で、ボールは大和の前立腺に当たっているようだ。腹側から佐賀島が指で押すと、球体が大和の中で縦横無尽に蠢き回り、その度に小さな痼りがぐりゅぐりゅとあちらこちらに移動する。
「ふっ、ぅ…っ…んっ」
ともすれば漏れてしまいそうな妖しげな声を、大和は唇を噛み締めることで堪えようとした。顔が赤く染まるのは、湯に逆上せただけではない。
「こんな物で感じて…貴方という人は」
佐賀島は低く息を漏らした。
また笑われた。
嫌だと拒否しながらこの状態をどう説明するのかと揶揄しているのだ。本来体内に入れる物ではない異物を己のあらぬ所に飲み込んで、恥ずかしくは無いのかと言われたのとだと。
「んんっっ」
更に佐賀島の指に押し込まれ、大和は戦慄いた。
ゴツンゴツンと固いボールが次々にぶち当たりながら壁面を擦り上げる。
そこは先ほどまで佐賀島に散々責められた箇所だ。中途半端に刺激され続けた所為で、今でも終息が迎えられずにジンジンと血流激しく響き渡っている。
―――― んな、とこ…、こんな、モノで…っ
「んっ、んぁっ、んぅっ…くっ」
佐賀島の分厚い肩に大和の指が食い込んで、筋を立てて白色に変わる。
「立ち上がって仰け反るほどイイんですか?」
クククと嘲笑されても大和は己の口から漏れる声を止めることが出来ない。
存在を忘れたかのように放置されていた前に、スルリと佐賀島の指が伸びた。
「あ…あ…」
「大和さんも男なんですから、コッチの存在も忘れちゃ駄目ですよ」
ゆるゆるとそれはお湯の中で丁寧に扱かれ、大和は与えられる刺激に夢中になる。
腰を突き出して快感を得ようとしたとき、
「はっ…あっ」
佐賀島によって中に入れられてしまったボールが外に飛び出そうと下降する感触に、慌てて尻穴を締め上げた。
「んひゅっ」
ゴリュッと中で蠢めきあうボールは大和の腸壁を擦りつける。
思わず甲高い声が上がり、大和は己の口を手のひらで押さえた。
「そうそう、その調子ですよ大和さん。さあ、逆上せるといけませんから、そろそろ出ましょうか」
「え…?」
ザバッと佐賀島が湯船から立ち上がって、大和の腕を掴む。
「なんっ…佐賀島っ?!」
「ああ、大和さん、着替えてお部屋へ辿り着くまで下のお口はしっかりと閉じていて下さいよ?」
「は?お前、何言ってっ…」
ここで出して行くに決まっているだろうと口を開く大和に、佐賀島は湯に浸かった熱い身体を大和に密着させた。
「ふっ」
身を寄せられ、思わず大和から息が漏れる。
「閉じていないとボール、ここから出てきちゃいますよ?」
貴方のここはグズグズですからねと付け加えられ、大和の尻は佐賀島の両手で揉み込まれた。
「んんっ、や、やめっ、さが、しまっ」
ゴリュゴリュと中が擦れ、刺激に再び兆す大和の前は佐賀島の張りのある大腿部に当たる。
固く引き締まった足に、ヌルヌルと己の竿が滑り大和の身体は震え上がった。
「や、あ……」」
「ね、大和さん。イイ子にしていたら、貴方の気の済むように気絶するぐらい犯して差し上げますよ」
ねっとりと耳元で囁かれ、大和は口を噤む。
「さあ、歩いて」
後方から促されてた大和が取る行動はただ一つ。
立ち上がったままのペニスを両手で隠しながら、填められたボールをあらぬ箇所から落としてしまわないようにそっと脱衣所まで歩いていくしかなかった。
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