「はぁっ…はぁっ」 「息が荒いですね。もしかして逆上せましたか？」 タオルで前を隠してはいるが、大和の前は思いを遂げさせられないまま放置され、いきり立ったままだ。 勃起したそれは充血し、幹に絡む蔦のように血管が隆起し、激しく打ち続ける心臓と同じようにドクドクと音を上げ、大和にいやらしい感情を与え続ける。 「も、さが、しまっ」 何とかしろと言ったつもりだったが、当の佐賀島は素知らぬふりで大和に浴衣を着せていく。 「や、ふっ」 拭われるタオルの感触でさえ、大和は震え上がる。 身震いする度に、己の中に得体の知れないモノがぐりゅっと蠢くのを感じる。 性急に佐賀島の野太い怒張で刺激されたそこは普段以上に敏感だ。ボールの大きさ一つ一つが在り在りと知れてしまう。 「あ…ぁ…」 ―――― こんな、もの、が、俺の、なか、に… そう思うだけで、トロッと溢れ出た先走りは床に伝い、股座は幾ら佐賀島に拭ってもらっても追いつかない。 「んっ、ん…っ」 唇を戦慄かせ全身を真っ赤に染め上げる大和に、佐賀島はふ、と笑んだ。 「ここ、果汁が溢れて美味そうですね」 徐に大和の目の前で跪き、褄を割った佐賀島の舌先がソロッと大和を舐め上げる。 「やっ、ァウウっ！」 ビクッと大きく大和が爆ぜ、佐賀島の厳つい肩に爪を立てた。 「さ、佐賀島っ、それっ、ダメっ」 「どうしてですか？」 チラリと佐賀島が上目遣いに大和を見つめる。 「だって、ダメ、それっ…ふぅぅうっ」 佐賀島の鋭い眼光に見つめられながら、大和はブルブルと身体を震わせた。 「何故かと理由を聞いているんです。答えられないのですか？」」 佐賀島の舌は喋りながらも止まることがない。 「だ、ダメっ、んぅうくっっ」 トロトロと際限なく大和の鈴口からは透明な液体が溢れ出て、留まることを知らない。 佐賀島の舌でこじ開けられるように刺激を与えられた尖端は、激しく上下にヒク突いた。 「はぁっ、あんっっ、あんんっっ」 「ふふっ、大和さん。なんて声出すんですか」 ここは公共の場ですよ、なんて惨い科白を佐賀島は笑みを湛えながら、大和の竿に舌を這わせる。 「ふぅんんっ」 大和は唇を噛み締めて己の声を殺そうとした。 しかし、 「んっ、んぅっ、んぅっっっ」 チュパチュパと激しい水音を立てられ佐賀島の口中に含まれると、そんな我慢などあっという間に絶えてしまう。 「あっ、あぁんっ、ひっ、ぃひぃっっ」 腰を前後に振り出して、佐賀島の舌の中で己の物を擦り続ける。 「厭らしい腰つきですね」 激しく何度も飲み込まれるように佐賀島の口蓋は大和を刺激し続ける。 だが、大和の根元をぎっちりと指で掴み上げ、けっして射精を許さない。 「はぁううああっっっ」 狂ったように大和は声を上げ、唸り、首を左右に振った。 「ぁあんんっ佐賀島、佐賀島ぁあっ！もう、もうイきたいっ！！いっぱい、いっぱいイきたいよぉぉおおっっ！！！」 ぐちゅぐちゅと粟立つほど先走りを佐賀島の唇に擦りつけても、大和は頂点に上り詰めさせられたままだ。 ぬちゅんとまた途中で口から引き釣り出され、大和は佐賀島に縋り付いた。 「も、イかせてっ、佐賀島っ、も、おちんっ、ちん、いっぱいも、あっ、ぁあっ」 空振りする勃起したペニスを上下に蠢かせながら、懇願する大和は最高級にそそる。猛る己の怒張を理性で抑え付けながら、佐賀島は浴衣の上から大和の後孔をグウッと指の腹で押し上げた。 「まだですよ大和さん。楽しみは、お部屋に帰ってからしましょうね」 「そ、んなっ」 大和の目の前が揺らぐ。 縋り付く大和の浴衣の紐を結び、自らもサッと浴衣を羽織ると、佐賀島は瞬く間に身支度を調えた。 「さあ、脱衣所にあまり長居をしていると、他の客が来るとも限りませんから」 早く出ましょうと、佐賀島は大和の腕を引く。 「う、やぁっ」 己の足で歩くことも大和はままならない。自分の足が地に着く振動でさえ、今の大和には酷である。 「はひっ、んっ、さが、しま、待って」 「急いで下さい」 「や、、ん」 大和は褄を開いてしまう浴衣の下半身を握り締めた。 「ふ…、大和さん、そんなところを握っていると、まるでお漏らししたみたいになりますよ」 「だ、だって…」 大和の顔がカッと熱くなる。 「仕方有りませんね」 佐賀島は大和に羽織を被せた。 回りの視界からは隠され安心はしたが、置かれた状況が変わった訳ではない。 「さあ、行きますよ」 「まっ、待てっ」」 手を繋がれ、足が絡まる。身体は震えているが、歩かざるを得ない。 「ん、んっ」 振動も、浴衣の触れる箇所も、何もかもが大和に刺激となって与えられる。 「や、ふぁっ」 スリッパを履かされ、引き戸を佐賀島が開け、廊下に出されると、辺りの空気が一変した。