「亀の、産卵？」 佐賀島の言葉を反芻するように、大和の瞳がグルグルとめまぐるしく回る。 行き着いた答えが脳裏に浮かんだのか、大和の切れ長の瞳が大きく見開いた。 「なっ…何馬鹿なこと言ってんだっ！」 カッと紅潮する大和を抑え付け、佐賀島はまだ勃起したままの大和を捉えた。 「も、それ、やだぁっ！」 また根元を抑え付けられるのかと抗う大和に、佐賀島は「違いますよと」首を振る。 「好きなだけイって下さいと言ったでしょ」 言いつつ佐賀島は、根元を握り大和自身を固定すると、徐に濡れた手のひらを大和の尖端に宛がった。 「これもお好きでしたよね」 「えっ」 ギクッと大和の身体が硬直する前に、佐賀島は手のひらを左右に激しく振った。 「っ！！！！ひぃぃいィイィィ―――― っっ！！！」 暴れ出す大和を身体を被せて押さえつけ、猶も手のひらを大和の尖端に擦りつける。 それはこのまま火でも付くのではないかという程の激しさで、クチュクチュと水音が激しく鳴り響く。 「やっ、さ佐賀島っそれダメ、だめええええええぇぇぇ―――― っ！！！！」 ビクビクと足を広げたまま押しつけられた大和の腰が上下した。 根元を抑え付けつけられたどこにも逃れる術もない大和の快感は急上昇する。 己自身の尖端のその部分だけを刺激されているのに、強烈にビリビリと痺れ上がったそれは全身に広がっていく。 「イヤアア―――― ッ！！！！」 叫びながら大和は身体を大きく上下させた。 両足をピンと伸び上がらせたまま、ビシュッと勢いよく佐賀島の手のひらと、尖端の間から激しく体液が噴き出す。 「ふふっ、大和さん、またお漏らし」 「んぁああっ！！ちがっ、違ぅぅううっっ！！」 真っ赤に全身を染めながら、大和が激しく左右に首を振った。それでも猶、佐賀島の手は止まらず、噴き出す水飛沫も止まらない。 「ヤハッ！！ンァハアヒ―――― ッッッ！！！」 ビシュビシュッと二度三度小さな口から激しく噴き出すとそれは、辺りに飛び散ってシーツのあちこちに染みを作った。だが無色透明なそれは臭いも色も無く、大和の甘い啼き叫び声と連動し再び噴き上がる。 両足をガクガクと痙攣させたまま、嬌声しか上げられない大和に、佐賀島は全身をのめり込ませた。 「もっと見せてくださいよ。貴方の本性を」 「んあああっダメッ！ダメェエェエッ！！！サガシマッァアア―――― ッ！！！！」 佐賀島の手のひらが大和の腹部に宛がわれると、上から抑え付けられ、圧迫されたヒノキのボールが大和の中でグリュンと音を立てて旋回した。 「ヒぃっ！！ヒ―――― ッ、ンッ！ヒッ！！」 短い悲鳴のような甲高い声を上げ、ガクンガクンと大和は全身を上下に揺らせた。 激しい絶頂に焦点が合わない。 「ああ、大和さん、こんなものでイってしまったんですか？」 佐賀島は口を笑ませたまま近くの布団の上で転がされていたボールを蔑んだ。 「俺のじゃ無くて、こんな、モノで？」 「あ、ヒっ！んっ、ァっ！」 終息のない連続絶頂に大和の全身が大きく爆ぜ上がる。 胸骨が上下するほど荒い息を吐き出すが、上手く紡げない。 目の前に無数に星が飛び交い、意識が何処かへ飛んでいきそうだ。 左右に乱れた浴衣の上で、帯一本腹に渡らせて肌を露わにさせ、佐賀島の目の前で大きく開かされた足を閉じることもせず、見境無くまだ佐賀島の手の中で己を固持させて、萎えることもなく、佐賀島の、激しくも丹念で際限の無い愛撫を、今か今かと待ち望んでいる。 それは大和の本心では無いかも知れないが、本能が、佐賀島を欲している証拠だ。 激しい呼吸を繰り返しながら、大和は佐賀島を見下ろした。 その瞳は潤んでいながらもギラギラと光を帯びて業火に燃える。無意識だとは分かっているが、大和はうっすらと開いた唇から細い舌先を這わせると、べろりと唇を舐め上げた。 如何にも美味そうに、愉悦に瞳を細くする。 喰らわれるのは佐賀島の方だ。 こうなると、幾ら佐賀島が力で押さえつけようとしても迎合させることは不可能だ。 これが先代から継承された血、というものなのだろうか。 そう考えるだけでも沸々と腸が煮えくり返るようで、同時に佐賀島は雄芯が熱くなる。 「その目、ですよ大和さん。俺を捉えたまま離さない」 質が悪いと佐賀島が嗤う。こんな青二才の身体など捻り潰すのは容易いはずなのに、もうそれすらできない。 グッと大和の足首を捉えると、更に頭に付くほど折り曲げて、大和の尻を両側に割り開く。 「アッ！」 濡れた赤い輪からミュルッと１つボールが吐き出された。 「１つ目…いや、ああ、エレベーターで出しちゃいましたから、２つ目ですね」 サッと大和の視線が逸れる。 「どうしました？あの時は満更でもないお顔をしていましたよ。相当感じていましたよね」