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第13話
「大和さん、今、俺の、勢いよく引き抜いたらどう、なりますかね」
「なに、がっ」
「これ、ですよ、これ。分かりますよね。堰き止められてる、これ」
慣れ親しんだ大和の肉を贅沢なほど味わいながら、佐賀島はゆっくりと大和の中を捏ね回す。
「ん、んっ」
「分かりますよね?今、貴方の奥のもう一つの入口で出たり入ったりしている、これ、ですよ。俺の、一気に引き抜いて、全部、出しましょうか」
ズルッと肉が佐賀島のそれに引き出されるのを感じ、夢見心地にどこか飛んでいた大和の瞳がハッとなった。
「な、何言って馬鹿かお前、今んな、ことしたらっ、あっ、あぁっ」
「丁度いい」と佐賀島は抵抗する大和の言葉も腕もそのままに、二三度激しく腰を突き上げると、しっくり填まっていた大和の中から己をズルンと引き摺り出した。
「またっ、うっぁああっ!!」
ビチュンとそれは大和の中から飛び出した。
だがそれはただ大和の中から出てきただけではない。あの佐賀島の注いだ全ての物を伴って出てきたのだ。
大和の尤も奥深い部分から、柔突起を滑らせて。
「ひぃっ、やぁ、くぅっ、うぅっ」
破裂音と共に、涙ながらに大和は間欠的に声を上げる。
佐賀島の前で全てを晒し、板張りの上で身を縮こまらせて身悶えた。
「お、前…っ」
激しく呼吸を繰り返すが息が続かない。
咳き込みながら起き上がろうとすると、ザアッと湯が身体にかかった。
「な、んっ」
文句を言おうにも、矢継ぎ早に桶に掬った湯が大和の頭から被せられ、口を開くことすらままならない。
逃れようとする大和の足首を引っ張り、その場に押し倒すと、佐賀島は徐に大和の尻肉を割り、赤く充血した輪の中心に舌を這わせた。
「ふぁっ」
「塩っ辛いですね。大浴場の露天風呂のお湯とはまた趣向が違う。浸かりすぎると逆上せるので気をつけないと」
「んな、とこ、ひっで、ふぁっ喋っ、んな」
グイグイと両端に開かれたそこは、既に窄まる力も残っていないが、新たな刺激にゾクゾクと大和の身体は震え上がる。
「い、一々ネチっこいっ、んだよっ」
エレクトしたままの前は痛いほど反り上がり、指を左右に広げられて出来た空洞が、物欲しげに収縮を繰り返し、上の口以上に物語る。
「さが、しまっ」
堪らず名を呼ぶと、ようやく佐賀島はそこから唇を離し、半ば滑り込んでいた舌を音を立てて引き抜いた。
普段ならばもうとっくに大和は限界を迎えてもいいはずの状態だった。
だがしかし、今夜は何かが違う。
―――― さっきから、ホント、俺、どうしちゃったんだ…
ちっとも治まらない。
感情は昂ぶったまま、萎えることもなく、寧ろジリジリとした焦燥感が、佐賀島と身体を重ねるごとに酷くなっていく。
「大和さん」
それは佐賀島も同じだったのか、何時になく名前を呼ぶ声が普段の冷静さを事欠いて、どこか熱く聞こえてくるのは気のせいだろうか。
濡れた浴衣を脱ぎ捨てて大和の身体を抱き起こし、己に背を預けさせると、露天風呂の縁に腰掛け、両足を開かせて座らせた中心に、己を宛がい埋めていく。
さほど抵抗もなく受け入れられたそこに、満足げに息を吐く大和に、促すように腰を前後させると、
「ん、んっ、さが、しま」
求める大和の唇に舌を這わせ、絡め合い、濃密なキスを繰り返す。
佐賀島が徐々に下から穿つ速度を上げると、その振動に大和の後孔が収縮し、佐賀島の怒張からまだ何かを搾り取ろうと捻り上げた。
二人の間はジュグジュグと白い泡が立ち、粘つき、糸を引き、重なり合う。
捻られ擦り合わされた赤い突起も、二人の迸らせた愛液に濡れ、ヌルヌルと這い回る佐賀島の指先に捉えられ、ビリビリと痺れる様なそれは痛みよりも快楽が勝る。
「あ、ふっ、ンンっあっ!!」
舌を絡ませ、口端から唾液を零し、それを佐賀島の舌で拭われた大和の口から、甲高い嬌声が溢れ出て止まらない。
佐賀島は大和の胸を弄るもう片方の指を輪にして大和の竿を擦り上げた。
「はっ、んんっっ」
ビクンビクンと大和の身体が爆ぜる。だがしかし最早何も出なくなってしまったそれは、悲鳴を上げるだけで何も出ない。
しかし佐賀島は滑りを帯びた手で上下させる。
「も、さが、しま、も、出ない、何も出ねぇよっ」
クチュクチュと佐賀島と唇を交わしながら、激しく息を継いで大和が悩ましげに許しを乞う。
「大丈夫、大和さん、もっといいものたくさん、出しましょ」
「何言って…もっ、出ねぇって、ホント、もうっ、さがしまっ」
擦られすぎて寧ろ痛いのだと訴えたい大和の口を、佐賀島が唇で覆い、音を立てて吸い上げる。
「さがしまっ、んもっ、ダメだって、おれ、ダメ、俺、本と、ホント、にっ、ぁっぁぁぁあああっっ!!!」
腰を突っぱね、床から踵を上げたまま、爪先立ちになった大和が宵闇の光りの中で身体を伸び上がらせる。
「いやああぁぁあああああっっ!!!」
竿を無理矢理下げられて、尖端からシュウッと勢いよく噴き出すのは、佐賀島が先ほど大和の中に注ぎ込んだそれと同じ液体で。
「ひぁっ、や、止まんね、から、もっ、佐賀島っ、停めて、も、停めてぇええっ!!」
板張りの床の上にビシャビシャと跳ね返り、佐賀島の目の前で粗相を繰り返す。
「ふふ、本当に漏らしちゃいましたね、大和さん」
「やあああっ」
「お漏らしなんて、我慢できなかったんですか。しかもこんなに大量に」
「だ、だから、ダメだって、もうだダメだって、俺、言っんんっっ」
大和が恨み言を募るそばから、佐賀島は大和の両足を持ち上げて、腰を振る。
「佐賀島っ、も、あ、お前っ、また、チンポ、硬いっ、無限っ」
「こういうのはね、大和さん、”絶倫”って言うんですよ」
「なっ、はっ、ぜ、ぜつ、りんっぁあああああっっぁぁぁぁっっっ!!!」
「貴方も大概だと思いますけど、ね」
無理矢理下を向かせていた佐賀島の指先が機嫌をとるように宥め、やがて扱くように変異していくと、再び大和のそれは固く誇示し、何も出ないままビクビクッと撓って絶頂を迎える。
「くぅううんんっっっ!!!」
再び佐賀島のモノを最奥まで突き上げられると、チカチカと目の前に星を鏤め、遂に大和は地に落ちた。
【END】20200726
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