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第6話
何度、約束したことをやぶられたって
何度、ただでさえ生徒会の仕事で一緒にいられる少ない時間でさえ他の子に取られたって
どこかで嵩が僕の元に戻ってくると信じてたいって気持ちをあきらめきれないでいたんだ。
それほどに僕はいつのまにか、深藤嵩という男の魅力に惹かれ呑み込まれるように好きという気持ちがあふれていた。
だからこそ嵩の親衛隊や浮気相手が付き合った当初と3ヶ月目の今も変わらず「お前みたいな平凡、嵩様が本当にお相手してくれるとでも思ったの?はっ、遊びに決まってるだろ。」と言われ続けてきて、嵩が直接言ってきてるわけでもないのに何故だか今さら心がズキズキと痛んで仕方がないんだ。
最近、心がギュッと握りつぶされたように
痛すぎて息がし難い日だってある。
どうして僕以外の人に
気を許すような笑みを見せるの?
どうして僕以外の人ばかり
優先して僕を後回しにするの?
嵩の隣は恋人である僕の場所でしょ?って思わないわけじゃない。
嫉妬に狂いそうで、嵩にこの醜い感情を後のことなんて考えずぶつけてしまいそうになる。
実行してしまったらきっとすべては僕が何を告げなくったって終わってしまうんじゃないのかなと。
だけど、僕にだって我慢できる範囲がある。
それだけはその一線だけは越えて欲しくないんだ、っていう嵩に約束してほしいことが。あるんだ。
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