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第5話

たった1回と言われれば、たった1回。 僕にとっては恋人同士なのだから 今後があると思ったんだ。 だけど嵩にとって、たったその1回で 僕に飽きたのかもしれない。 はじめてなのを言ったとき優しく「大丈夫、大切にする」っていってくれたけどやっぱり面倒くさくなってしまったのかな。 よく耳に挟む話だけど、処女ってめんどくさがる男って多いんだってチワワたちがいってた。 嵩もそうは僕に言ったものの僕の平べったく柔らかくもない貧疎だと言われるような素肌をみて冷めてしまったのかもしれない。 ただ、少々の同情で優しい言葉と僕に恥をかかさないために抱いてくれたのかもしれない。 なんて、マイナスなことばかり頭の中をよぎるのは事実、浮気する相手をみていたら仕方のないことだと思うんだ。 でも、もしかしたら、ならば、 また、あの日のように嵩と二人で笑い イチャイチャできるんじゃないのかなって そんな日が気づいたら 戻ってくるんじゃないかなってさ やっぱりいろんなかわいい子たちのつまみ食いに飽きて「今まで、悪かった。やっぱりずっと今後付き合っていきたいのはお前だけだ。もう、よそ見しない。」って僕のもとに戻ってきてくれるんじゃないのかって、、 そんな日がくる望みを捨てきれずに、僕は別れを告げることもなく黙って待ってるんだ。 そんな僕のここ数か月を見て、坂東いわく 「お前は馬鹿だよな。目を覚ませよあんなヤリチン野郎のどこがいいんだか。」って怒ってるし ・・・それにはあれだけ褒め称えてたくせに坂東が言う?って笑っちゃったけどね。 坂東の言葉遣いから感じ取る僕のことを心配してくれてることに関して、今まで僕をどちらかというと貶していた奴と同人物なのかと驚いてしまったのは本人には黙っておこうって思う。 坂東からの心配からなのだろうと思う忠告にも近い不器用な言葉にありがたくも嬉しく思うけど 僕の嵩を好きだって気持ちが 止まらなくって、とまらなくって、 自分でも坂東が言うようにバカだと思うけどどうしようもないんだ。

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