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第1話
今日も会社の窓から空を見上げた。
雲の形を見ても何も思い浮かばない。
空想や連想、想い描くような未来もなく、ただただ社畜人生を送っている。
社畜と言っても休日出勤や深夜に及ぶような残業がそうそうある訳ではないし、嫌いな上司に理不尽な扱いを受けている訳でもない。
プライベートが充実していることもないので空いている時間に残業すればむしろ生活が潤い感謝している位だ。
ただこれでいいのか疑問に思うようになった。
恋人はおらず、友人達とは疎遠になったまま気づけば29歳。
来年は三十路になる。
自分の殻に閉じこもってばかりいていい訳ない。
そろそろ潮時なのだろうか…。
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