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「っ……んぅ」  意識が徐々に戻ってくるが、瞼を開く事が出来ない。体は鉛のように重く、ずっと拘束されていた脚にはまだ痺れが残っていた。 (恭……どうして?)  考えながらも体の奥に疼くような熱を感じ、咲夜が小さく身動ぎすると、「起きたのか?」の声と同時に唇へと何かが触れ、思わず開いた瞳一杯に恭の顔が写り込む。 「うっ……ふっ」  キスをされているのだと……気付いた時には既に口腔を彼の舌が這い回り、逆らう事など出来ない咲夜がそれを必死に受け止めていると、平らな胸を大きな掌で擦るように撫でられた。 「んぅっ」  もう片方の手が股間へと伸び、裏筋をツッと指が這う。それだけで……媚薬の残る咲夜の体は、ピクピクと跳ねて薄紅(うすくれない)に色づいた。  昨晩、一度部屋を後にした彼が、戻ってきた所までは何とか意識を保っていたのだが、バイブを抜かれて彼のペニスを受け入れた辺りで、それは途切れてしまっている。 「んぅ……うぅっ」  舌を吸われて咲夜がえづくと、刹那離れた彼の唇が首へと触れてそこを咬むから、痛みに涙が零れ出た。 「っ…恭……あぁっ!」  起きあがった恭が咲夜の脚を掴んで左右に開く。ここに居る時、彼はいつもラフで質素な服を着ていたが、今は黒い寝衣を纏い前のボタンをはだけていた。 「まだ達くなよ」  抑揚の無い声と同時に、ペニスの根本を戒めていたリングがカチリと外される。彼の手管で咲夜の自身は既に勃起していたが、射精するには刺激が足りず、疼きばかりが湧き出した。

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