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テスト勉強3

テスト期間1週間前になるといよいよ部活は停止になった。 真悠とはちょくちょく昼休みを一緒にしながら、国語やさまざまな軽い復習を行っていた。 しかし、みっちり勉強会するのは今回が初めてだ。 放課後の自習室はさまざまな生徒が利用していた。真悠と一緒に部屋へ入り三人座れる自習スペースの机に座った。一つの椅子は荷物置きに使って二人でノートや教材を広げる。 真悠のノートは要点だけが詰め込まれ無駄がなく、授業の細部まで書き置こうとする充希のノートとは全く違った。ノートの取り方も違うのかと感心しながら、勉強会がスタートする。結論から言うと真悠の教え方は上手だった。的確にかつ論理的に進む数学の解説はとても分かりやすくて、ノート同じく一切の無駄がなかった。充希の随分と悩んでいた問題も「公式の活用次第だから」とあっという間に解決してしまう。真悠は本当に頭がよかった。 充希は教えてもらったことを一生懸命ノートに書き写す。充希は要領良くはない。一つでも取りこぼして忘れないようノートにメモをしていた。 それをみていた真悠がふと口を開いた。 「充希はいつも一生懸命だよね」 「え?」 「今もノートいっぱいいっぱいに俺が言ってたこととか書こうとしてて、本当に頑張ってるね」 「え、あ、ありがとう」 真悠は突然充希のことを褒めだす。しかもその頻度が多くて充希はその度にどぎまぎとありがとうと言うのだった。ストレートに頑張ってると褒めてくれるのは真悠ぐらいだ。 充希は頑張ってはいるけどそれなりの評価しか出せず、悔しくて頑張れば頑張るほど周りは「真面目にやってるから充希はその成績がとれて当たり前だよね」と言った。それは彼らなりの充希を評価した結果だったのかもしれない。しかし、自分をいくら追い詰めても、限界ギリギリで頑張っていても、結果が出なければ評価されなかった。県大会に行けなかったあのときも・・・・。こんなに自分を追い詰めている自分と周りの温度差に充希は心が折れてしまった。 「充希の頑張ってる姿、俺めちゃくちゃ好きだな。その一つ一つに全力かけててキラキラしてる」 真悠の言葉に思い出したくない過去から我に返るが、戸惑ってしまう。 「き、キラキラ?」 「うん、すごく眩しくて…キラキラしてる」 真悠はうっとりと目を眩しそうに細めて微笑んだ。 「充希は本当可愛い…なんか神様みたい」 可愛いのに神様???矛盾しているような気もするし、可愛いとたしなめられているような気もする…。 でも、真悠が冗談で言っているような雰囲気は全くなかったため、「そっか…」と素直に受け取った。

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