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身代わり①

 結局夏休みが始まってからの、約3週間。  まるで発情期の猫みたいに俺達は毎日のように会い、毎日のように体を繋いだ。  回を追うごとに陽は更に敏感な反応を返すようになり、俺はそれに調子に乗って、いつもしつこいくらい彼を求めた。  行為の最中陽は甘えた声で鳴き、何度も俺の名前を呼ぶ。  普段学校で見せる陽とはまるで異なる  そんな彼に俺は、益々溺れていった。 「陽...ほら、舌を出せよ?」  自らも舌を伸ばし、それに絡めるよう求める。  最初は恥ずかしがって嫌がっていたけれど、最近はこういった事も素直に受け入れるようになった。  舌と舌を絡め合い、何度も唇を合わせる。  唇を離すとどちらのモノかわからないほど混じり合った唾液が糸を引き、プツンと二人の間で途切れた。 「咲夜ぁ...。」  焦れたように名前を呼び、陽が俺の背中に腕を回した。  でも意地の悪い俺は彼の要求に気付かないふりをして、笑って聞き返した。 「うん?どうした、陽?」  太陽の光を浴びて金色に輝く髪を撫でると、陽は俺の下半身に触れた。 「...したくなった?」  問うと陽は、頬を真っ赤に染めて、小さく頷く。  そんなコイツの仕草を見て、俺はクスリと笑った。 「なら、来いよ。  どうしたらいいか、分かるだろ?」  笑いながら俺はベッドに腰を下ろし、彼を誘った。  無言で股間の辺りに(うずくま)るみたいにして陽は体を丸め、俺の洋服を脱がせると彼は、そのまま唇をそこに這わせた。  優しく何度も頭を撫でながら、不埒な指先を、既に何度も弄んできだ彼の体に伸ばした。  求めるように、ねだるように。  陽は自ら足を開き、指が動きやすいよう(いざな)う。  カチャカチャと音を立て、彼の履いていたパンツのベルトを外し、下着ごとずり下ろすと、既にかたくなった敏感なところに直接触れた。 「あーあ、キスだけでこんなにして。  ...ホントエロいよな、陽は。」  一瞬顔を浮かせ、陽は小さな子供が 駄々をこねるみたいに、左右に首を振った。 「...何が、違うんだよ?」  なおも笑いながら少し激しく手でしごいてやると、陽は呼吸を乱し、瞳を閉じた。 「...違わない、だろ?」  先端に指先を触れさせ、頭にするのと同じように優しく撫でてやると、彼は小さく体を震わせた。  それでもなけなしの理性を掻き集め、何とか反論の言葉を探そうとするその姿が愛しい。 「相手が、咲夜だから...だよ。  他のヤツとだったら、こんな事になるかよ。」  瞳を開き、まっすぐな視線を俺に向け、言った。  そしてその言葉を聞き、一瞬で赤くなってしまった俺の顔を見上げたまま、陽はニヤリと笑った。 「なんだよ、その顔。  ...生意気。」  ぐっと親指を先端に押し付けたまま、握る力を強めて激しくしごきあげた。 「んっ...それ、やだぁっ!」  陽はあっさり快楽に飲まれ、嫌だと言いながらだらしなく口を開いた。  俺は腰をあげ、そこに乱暴に自身の大きくなった肉の棒を突き立て、また笑った。 「ほら、口がお休みしちゃってるぞ?  ちゃんと頑張らないと、ご褒美あげないよ?」  片方の手で頭を優しく支えながら、もう一方の手で陽の体を楽しむ。 ご褒美が貰えないという言葉に反応し、慌てて彼はそこに舌先を絡め、俺のイイところを探り始めた。

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