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『秘密裏に行ったDNA鑑定の結果も、君と息子との親子関係を示さなかった。それなのに、あいつは……』 苦い物を噛む時のように歪められた祖父の顔。日本には、離婚後300日以内に生まれた子供は、前の配偶者の戸籍へと入れる法律があるらしく、嫡出否認の訴えを父がただちに起こさなかったせいで、自分はそのまま御園の籍へと残る結果になったらしい。 『ごめんなさい。俺、何も知らなくて……本当の父じゃないのなら、支援を受ける理由はありません。今後のことは担任に相談して、なんとかします。だから……』 威圧感に呑まれた遥人だが、どうにかこうにか震える声で自分の意思を祖父に伝えた。 知らない事だったとはいえ、血縁関係の無い相手に援助などとても頼めないし、なにより自分は歓迎される存在ではない。 大変だとは思うけれど、高校は諦めて自立したほうがいいと遥人は考えた。 それに、これではまるで戸籍を楯に、金品を要求しているみたいで自分が許せない。 まだ15歳の遥人だが、それくらいの矜持はあった。 『それは無理な話だ。これまでは母親が親権を持っていたから放置しても問題は無かったが、"未成年の子供を突き放した"と報じられでもしたら、企業イメージに関わる。そんな事はないと思うかも知れないが、小石に躓いて致命傷を負う事だってあるんだ。だから、どんなに小さな火種も掌握しなければならない。聞けば……成績はなかなか優秀みたいじゃないか』

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