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「あんっ……あぁっ!」  媚びたような喘ぎ声。  それが、自分のものだと頭の隅では分かっていても、口を閉じることさえできず、苦しいくらいの愉悦の中で遥人は嬌声を上げ続けた。  ブジーが挿入されたままだから、いくら達しても吐精できない現実になど、到底思考が及ばない。 「れい、れい……」  陰嚢を緩く揉み込まれ、同時にペニスを吸い上げられれば、内太腿がカタカタと震えて下半身から力が抜けた。 「ん……」  刹那、少し苦しげな玲の声。  彼の顔へと腰を落としてしまったことに気づいた遥人は、膝に力を込めようとするが、全く力が入らない。 「あ……ごめんなさ……ごめ……」  必死に謝罪を繰り返しながら、ソファーの革地へと爪をたて、なんとか前へ進もうとするが、次の瞬間(もも)を掴まれて腰から下が宙へ浮いたため、自分の置かれている状況が、さらに理解不能となった。 「気持ち悦すぎて腰が抜けちゃったんだ。可愛い」  喉を鳴らして嘲笑う声と、突如上下する歪んだ視界。自分がソファーに仰向けにされたことはなんとか分かったが、間髪入れずに口腔内へと入り込んできたペニスに穿たれ、襲った吐き気に遥人は細い体をビクビク戦慄かせた。 「……んぅっ!」 「歯、立てないで」  乱暴に髪を掴んだ玲が、それでも優しい声で言うから、遥人は必死に唇を開き彼のペニスを受け入れる。   「う゛……んぐぅっ」  ――はやく……はやく……。  何度も腰を打ち付けられ、酸素不足に陥りながらも早く終われと遥人は願うが、ようやく彼が口の中へと白濁を放ち果てたとき……疼く後孔を満たして欲しいという欲求しか頭になかった。

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