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11. その終焉、蛇足につき

病室は面白みがない。入院って初めてだけど、こんなにつまらないなんて。 ベッドが安物の軋み方するのは仕方ないとしても、この時間のテレビ番組がろくなものやってないのは我慢ならない。 夕方のワイドショー。ニュースの皮かぶった娯楽番組だよね、これ。需要あるからやってるんだろうけどさ。 「つまんね」 オレはテレビを切って、リモコンを布団に投げ出した。 テレビと自分の耳の穴を繋ぐイヤフォンも抜いて。 そんな時。 「おぅ……元気そうじゃねぇか」 ガラリと音を立てたドア。 そこに現れた人物に、オレは『ようやく来たか』と声をかける。 「……ン。俺も暇じゃあねぇんだぜ」 無遠慮に手ぶらで来た、その見舞い客。 丹羽 京太郎。美術教師。あと……オレの共犯。 「で。どうだ」 近くのパイプ椅子引き寄せて、どっかりと座る。途端悲鳴を上げたような音がするがお構い無しだ。 でかい図体を乗せた椅子が少しだけ心配になった。 「うん。手に入れた」 「悪いヤツめ」 無表情の顔で言われても怖くない。いや、ある意味怖いかな? でもオレは別に。 ―――京太郎とオレは少し古い知り合いだ。 んでそれを優希は知らないし、教えるつもりは無い。 『全ては計画通り』と言えればカッコよかったんだろうけど。 少々泥臭いラストになっちゃったなぁ。あれじゃあ、どっちが抱かれるか分からない。 あ、もちろん抱く方はオレだけどね。 「……何を不貞腐れいるんだ」 京太郎の問いに、オレは簡潔に答えた。 「優希が、あんたのテクニックを気に入ってたから!」 「やれやれ……妙な言い方をするんじゃねぇ。今度は、てめぇが抱き締めてやれば良い」 「もちろん!」 他の男に触れさせてなるものか。 そんな事したら、監禁でも何でもして教育してやる。 「あー。早くエッチしたい」 久しぶりにあの身体、嬲り尽くして泣かしてやりたいな。 もう駄目、許してって言っても壊れる寸前まで抱いてやったらどんな顔するかなぁ。 ……あー、なんかムラムラしてきた。 「ねぇ京太郎。あんたからも優希に、オレの見舞い来るように言っといてよ」 あの飯島っていうブス女もまだ気になるし。 ここでなら、本番出来なくてもお互い気持ちよくなれるかも。 「……てめぇ、頭おかしいんじゃねぇのか」 オレの表情を見て何がしか察したらしい京太郎は、珍しく眉をひそめて呟く。 「別に?」 オレは肩を竦めて『あ、コンドームもいるかなぁ』とか考えながら笑ってみせた。

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