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修学旅行(1-2)
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「じゃあまた後で会おうぜ」
先生から部屋の鍵をもらい、それぞれの部屋に入る。
ついに来てしまった。
どうしてこうなったんだろ。
滝沢は「神崎がお前とがいいってさー」って言いながらヘラヘラ笑って俺たちを同じ部屋にしたけれど。
あの時の神崎の目はすごく恐かったから、神崎の意志じゃあないことはすぐに分かった。
どうせ滝沢が幼なじみの平井と同じ部屋が良くて、勝手な理由をつけたんだろう。
でも二人が仲良しって知っているし、俺たちが反対できるような雰囲気でもなかったから流されてしまったけれど。
いい迷惑だ。
俺のこと嫌ってる奴と同室だなんて、まして、そいつが俺の好きな奴だなんて。
「神崎……、先に風呂、いいよ」
俺に背を向け、荷物の整理をする神崎。
さっきまで楽しく笑ってたのに、俺と二人になった途端にこの態度。
あからさまに“嫌い”という態度をされて、神崎の名前を呼ぶ俺の声が震えた。
「なぁ、神崎……」
「はぁー……、いいよお前が先で。俺はお前の後に入るから」
「……っ」
大きなため息に、ダルそうな声。
久しぶりの会話がこれだなんて。
「分かった……」
あり得ない。
俺は、今にも泣きだしそうなのを何とか我慢しながら、急いでタオルやら着替えを準備して風呂場へと向かった。
服を脱いで、すぐにシャワーを出す。
たくさん捻ったせいで、大量のお湯が出た。
そのせいで体に痛みが走るけど、そんなことは関係ない。
「ぅ、……あ、……っく」
とにかく、この声を聞かれないようにって、ただそれだけ。
水量を一番多いのにした。
「ふ、ぅ……っ」
つらい。
何で俺だけ、あんな態度を取られなきゃいけないのか。
ねぇ、神崎。
俺が何をしたっていうの?
そんなに、俺が嫌いなの?
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