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想い、想われ(1)
愛したい、
愛されたい。
甘えたい、
甘やかされたい。
誰かを死ぬほど求めたい、
誰かに死ぬほど求められたい。
抱きしめ合って、
キスをして、
お互いに触れて。
休みの日には一日中ベッドでゴロゴロして。
愛を囁き、そして囁かれ、お互い思うままに求め合う。
そんな恋愛観は周りから見れば、重たくてしょうがないのだろう。
俺の想いは、いつだって報われない。
「お前なぁ、誰にでもついて行くからいつもこんな目に遭うんだろうが。いい加減やめろ」
「うるさいなぁ」
現在俺は、自分の家でやけ酒中。
俺の髪の毛をわしゃわしゃと弄りながら、説教をしてくるコイツは高校からのダチの恭介。
『振られた』と一言メールをすれば、いつでも飛んできてくれる友だち思いのすげぇいい奴。
俺の性癖知っても友だちやめないでくれて、それどころか話まで聞いてくれる。
本当にいい奴だって、そう思うよ。
俺の、大好きで大切な人。
コイツが俺の恋人になってくれたらいいのにな。
そうしたら、この俺の思いも全部受けとめてくれそう。
たくさんの愛情で、俺を包んでくれそう。
……なんてそんなことを思うけど、それはどう考えたって無理な話なわけで。
この想いを伝えることはしない。
だって俺、コイツに振られたらきっと生きていけないから。
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