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ストーカー続編(1)

片宮と、携番とアドレス交換をした。 さすがにストーカーやってた片宮も、俺の番号は知らないから。 交換しようと言ったらとても喜んでもらえた。 交換したその日に、片宮の希望でお揃いのストラップまで買いに行った。 片宮は始終嬉しそうに可愛い顔で微笑んでいたし、俺だってそんな片宮を見て幸せだって思った。 そう、その時は、それで良かったんだ。 だけど。 「どうして、メールも電話もないわけ?」 片宮からの連絡は一切入らない。 こんなこと、全く考えてなかった。 俺ももちろん片宮のこと大好きだけどさ、片宮の方が俺のこと先に好きになってるし、ストーカーだって一時期やってたわけで、そう考えると絶対に俺よりも片宮の想いが強いはずであって。 だから、アドレスを交換した後は、喜んでメールしてくると思ってたんだよ。 俺は、そんな予想をしてたんだ。 確かにあの時、片宮のこと何も知らないって、自分にショックを受けて、片宮に聞こうとは思ったけどさ。 俺からアクション仕掛けたけど、俺から行かなくたって、片宮、お前も聞くつもりだっただろ? あんなに嬉しそうな反応したんだからよ。 交換するつもり、ちゃんとあっただろ? 交換した当日、それならまだいい。 片宮のことだ。緊張しちゃってできなかったの、って可愛い理由だって考えられるからな。 けど、交換して一週間経っても一度も片宮から電話もメールもないのはありえないだろ。 忙しいわけじゃあないはずだ。  だって、俺からメール入れれば、すぐに返事を返してくれるから。

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