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ストーカー続編(2)

特別な用事がなくたっていいんだ。 くだらないことでもいいのに。 片宮は、ちょっとした時間を共有したいとは思わないのだろうか。 今何をしてるか気になれば、メールをするし。 声を聞きたいなぁと思えば、電話をして声を聞くし。  片宮はそうじゃない? 学校では一緒だけれど、片宮とだけ過ごすわけじゃない。 相川や、片宮と連むようになる前から仲良くしていた奴らだってたくさんいる。 お昼は一緒に食べるようにはなったけれど、席も遠いし、休み時間も会話はそんなにしていない。 一緒に帰るって言ったって、時間は短いし。 放課後デートも毎日できるわけじゃない。 そんな中で、連絡できる手段が手に入ったというのに。 なんで俺ばっかりこんな気にしているんだろう。 なぁ、片宮。 俺ちょっと腹が立ってきたんだけど。 ベッドに寝転びながら携帯を見る。 だけど、相変わらず何の連絡も入らない。 「ふぅん、やるじゃん」 ここ一週間、いつも寝る少し前に俺からメールを入れていた。 だけど、今日からしばらく送らないことにしてやる。 そうすれば片宮だって、何かしら思うことはあるだろう。 自分でもめんどくさい奴になりつつあるのは感じているけど、こればっかりは止められない。 だって、ストーカーしてたくらい俺のこと好きなはずなのに。 連絡が全然なかったら、そりゃあ多少はへこむだろ。 俺は悪くない。悪いのは片宮だ。

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