146 / 224

ストーカー続編(3)

片宮にメールをしないと決めてから、三日が経った。相変わらず俺の携帯が鳴ることはない。 学校で会う時は、俺が平然を装っているからだろうか。片宮がこのことを気にしているようには見えない。 正直、けっこうダメージがデカい。 何の意味もないのに、携帯を手に取り画面を見つめる。 待ち受けには好きだと言っていた歌手のポスターの前でピースをする片宮。 ……ちくしょう、可愛いじゃねぇか。 俺は画面に映る片宮に、ばーかと叫んだ。 ちょっとは俺のこと気にしろよな。 今日も、片宮にメールしてやらない。 俺は携帯をベッドの隅に投げ捨てた。  それから枕に顔を埋め、静かに目を閉じた。 休み時間、片宮は眠いのか机に俯せになって寝ている。ここ最近いつもそうだ。おかげで会話できる時間がさらに減っている。 俺ばっかこんなこと気にして、お前は寝んのかばか。 はぁ、とそんな片宮を見てため息をつき、正面へ向き直ると、今度は携帯を見ながらニヤニヤしている相川が視界に入る。 コイツのにやけ顔は目に毒だ。 「何笑ってんだよ」 その顔をどうにかしろと頭を叩けば、相川はもっとでろでろにだらしのない顔になった。 「や、だってさ、愛花ちゃんがさ、」 そこまで言って、相川はまた携帯へと視線を戻す。 んだよ、彼女かよ。 そう言えば、相川は三日前に彼女ができたらしい。他校の生徒さん。 会えないから休み時間にもメールするってか。

ともだちにシェアしよう!