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君との永遠(3)

この世界に“絶対”はなくて。 もちろん“永遠”だってなくて。 ぐるぐる変わっていく中で、何を信じていいのかなんて分かるはずもないけれど。 それでも、君がそう言ってくれるのなら。 そう思ってくれるのなら。 「俺も……、お前のこと、愛してる」 たとえ“永遠”がなくても、信じてみたいって、そう思った。 彼方との未来なら、この世界でも信じていられる。 それほど、俺だって彼方を大切に思っているから。 ねぇ、彼方。 お前が、いつか俺を守れるくらいに強い男になるって言うのなら。 俺は、お前との幸せと未来を守れるくらいに強い男になってやる。 そしていつか、 “永遠”なんてものを考えずに、お互いのことだけを考えられるような世界になったらいいな。 他人の目なんか気にしないで、お互いのことだけを考えられる、そんな世界に。 不安も恐怖も、孤独も感じない。 そんなの関係なく、幸せだけを求められるような。 「先輩」 「ん?」 「大好き」 「ん、」 とくとくとゆっくり動く心地いい彼方の心音に耳を傾け、体を預けると、俺はそっと目を閉じた。 それでも今は、そう思ってくれる君さえいれば、もう他には何もいらないんだ。 欲張っては何も手に入らないから、そう願うだけ。 俺が欲しいのはいつだって、俺を想ってくれる、その君の気持ちだけだよ。 END

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