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君との永遠(2)
「でもね先輩」
彼方の声が、頭に響く。
「俺、先輩との未来には“永遠”を信じてみたい」
ちゅっと、彼方がおでこにキスをした。
キスされたところに熱を感じ、ゆっくり顔を上げると、彼方の目がなんとなく潤んでいるように見えた。
突然何を言い出すのかとか、そんなことはもうどうでもいいと思った。
これは、突然なんかじゃない。
きっと彼方は、ずっとこんな気持ちを抱えたまま俺と過ごしてた。
そんな気持ちを持ってでも、俺との未来を信じたいと言ってくれるのなら、俺もそうしたいって思うよ。
ちゃんと、話を聞かなきゃ。
「これから大人になったら、きっとつらいことがいっぱいあると思う。俺はまだまだ子どもだから、先輩を守ることなんかできない」
「……っ」
「だけど、先輩を離したくない」
真っ直ぐ見つめられ、何も言えなくなる。
普段へらへらしてるくせに、言葉を繋いでいく彼方は、真剣でかっこよく思えた。
俺の目も、潤んでる。
だんだんと視界がぼやけ、ぽたりと涙がこぼれ落ちた。
「先輩、好きだよ」
「……彼方、」
「“勉強教えて”って言ったら、“仕方ねぇな”って先輩が笑ってくれる。抱きしめたいって思ったら、すぐそばに先輩がいてくれる。そんな日常とそんな関係が“永遠”に続けばいいのに」
“そう思わない?”
彼方がくしゃっとした顔で笑って、頬に流れる俺の涙を優しく掬う。
「いつか必ず先輩を守れるくらいに強い男になるから。だから待ってて。俺だけを見ながら」
「先輩、愛してる」
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