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けんかするほど仲がいい続編(2-6)

いつもはなかなか素直になってくれないから、あまりイチャイチャできなくて。 だからもっとイチャイチャしたいし、甘えて欲しいとは思ってるけど。 この状況では色々とダメだろ。 「たちゅやぁ、」 でもさ……、こんな甘えた声で言われたらさ。 「……あぁもう!」 もう一度、唇を合わせた。さっきよりも少しだけ長く。でも離れたら、雅行の「もっかい」が始まる。 結局言われるがままに、何度もしてしまった。 回数が増えるごとに、だんだんと激しいキスになり。雅行も肩で息してるから、相当な体力を使わせてしまったみたいだ。 ってか、本当に数回のキスをやってしまった。 明日になって悠太に聞かれたら顔を見てバレてしまうんだろうな。 「雅行、俺もう帰るな」 「やだ、」 「うん、でももう帰らなきゃ」 「寂しいよ、」 「俺だって寂しいよ。だから明日は絶対来いよ」 「……ん、かぜ、なおす」 「頑張って治して。悠太も待ってるからさ」 「ん、」 最後に雅行の頭をぽんぽんと撫でて、部屋を出た。 それからおばさんに一言挨拶をして、雅行ん家を後にした。 ……にしても、風邪引いてる雅行可愛かったなぁ。 風邪引くと甘えたになるのか。 まぁでも。 いつまで経っても付き合ってくれることに慣れなくて、甘えてくれない雅行もかなり好きなんだけどさ。 ちょっとずつ甘えてくれるようになって、最終的にこんなふうな甘えたさんになってくれればそれでいい。 「たちゅや、だってさ」 雅行はこのこと忘れてそうだから、明日もし学校に来れたら、話してやろう。 「素で、たちゅや呼びさせてみるか?」 そんなことを考えて、自然と頬が緩んだ。 END

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