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幼馴染×キラキラ①
ふわり、とカーテンが優しく膨らむ。
清潔感のある香りが漂うこの部屋に、爽やかな風が吹き込む。
僕が来ていることも気づかず、「こーちゃん」は未だ毛布にくるまりスヤスヤと寝息を立てる。気軽にそう呼ぶのは僕ぐらいだろう。
何せ、この国の第二王子である。
僕はこの国の出身ではないが、こーちゃんとは幼ない頃から縁があり仲良しだった。
こーちゃんは僕と違い、小さな頃から優しく素直で、人のことばかり気にかける。
嫌いな家から逃げ出してきたお尋ね者の僕を、何も聞かず優しくしてくれた。
「何でも頼ってね!」
そんなに歳も変わらないのに、世話を焼けたのが嬉しかったのか満面の笑みでこーちゃんはお兄ちゃんぶった。
そんなこーちゃんが好きだった。
そんな僕の気持ちをこーちゃんに伝えたことはない。
が、いたずらの範囲でほっぺにちゅーしたり、ベタベタと抱きついたり、それっぽい事言ってみたりして。こーちゃんは気づいてるのかな?
いつもこーちゃんは笑って許してくれて、時々叱られることもあったけど、不意に照れたような表情を見せるから、それが堪らなくて。
朝日を浴び、キラキラ輝く綺麗な金色の髪。
目にかかる程の長めな前髪は、その奥に潜める瞳の色をより一層艶美に魅せる。
そっと耳にかけてあげると、穏やかに眠る綺麗に整った寝顔が僕の心臓をはやめた。
(まつげ長いな....。)
僕は近づいて、顔を覗き込むようにじっと見つめる。
全然起きる様子の無いこーちゃんに少し苛立ちを覚える。
(こーちゃんのこういうとこ。)
全然起きないこーちゃんが悪い。こんな事されても文句いえないよ、と唇にそっとキスをする。
触れるだけのキス。
このいたずらは初めてではないけれど、1度もバレたことはなかった。
(こーちゃんの柔らかい...もっと.....)
そんなつもりではなかったのに。
二回、三回と角度を変え繰り返す。
でもそれだけじゃ全然足りなくて。
気づいたら止まらなくなった。
舌で唇を舐めるようになぞっては、噛み付くようにキスをする。
(こーちゃん.....)
まるで味を楽しむかのように、夢中で舌を絡ませる。
深く口付ける度に、どんどん気持ちが溢れて来る。
(すき...こーちゃん....だいすき.....やばいとまらばい......)
理性と本能2:8。
もうほぼ負けかけ。
このまま自分に負けようかと、そんな時だった。
「....っん」
君は目を覚ました。
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