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丹羽圭祐とは⑧
「……」
…この人、本当に俺の事好きなんだ。
期待を孕んだその瞳に、言わずとも彼の想いに気がつく。
嫌われていることはないとは思っていたけれど、まさかこんなクソニートの実態を知っている人に好意を持たれるとは。
俺のそれはただの勘違いで間違っているかもしれない。けど、当たっているかもしれない。
容易に掛ける言葉が見つからずに、どうしようかと彼の瞳を見つめたまま固まった。
イトさん。やけに落ち着いた声音で俺の名前を呼ぶ丹羽さんの、まっすぐな視線からは逃れられない。
どうしよう、これって告白でもされそうな感じじゃないか?内心ドキドキ、否ひやひやとしていると、少し体勢がずれたせいか、腹の上に吐き出した自分の精液がどろりと横腹を伝って流れ落ちた。
「あっ、やば、!ティッシュ!取ってください!」
「えっ、あ!はい!」
俺の声に慌てた丹羽さんがティッシュを取ろうと、俺の中に入れっぱなしだったちんこをずるりと抜き出した。
精を吐き出して萎んだとはいえ、もともとが大きい丹羽さんのちんこがイったばかりで敏感になっている中を擦る。
「んっ、…あ、」
その独特の、快感とも言えぬなんとも奇妙な感覚につい声が漏れると、丹羽さんは耳まで顔を赤くさせた。
丹羽さんは目線を合わせないまま、ベッドの脇に置かれたティッシュを取って俺にそれを手渡した。
さっきまで散々セックスしてたってのにそんなんで顔赤くさせるなよな。
その素直すぎる反応にこちらまで恥ずかしくなってしまい、小さな声で礼を述べて受け取ったそのティッシュで無言で腹の上の精液をふき取っていく。
丹羽さんも何枚かティッシュと取ると、大丈夫ですか…?と眉を寄せながらティッシュを差し出して心配そうに尋ねた。
「大丈夫ですよ、お風呂で処理してきます。丹羽さんは?一緒に入ります?」
「っ、あ…いえ、あの…俺は、えっと……だ、大丈夫です……」
「そしたら俺風呂入ってくるんで、適当にしててください」
反応がまるで童貞そのものだな。
顔を真っ赤にさせたまま何度も頷く丹羽さんに苦笑を漏らす。
いや、案外男は初めてだとか、アナル童貞だったりするのかもしれない。それは、なんというか、申し訳ないことをしたのかもしれないな…。
なんとも微妙な気持ちで、全裸のままびしょ濡れの廊下を歩いていく。ああ、ここも後で拭かないと。家中水浸しだ。
尻穴からどろりと溢れ出て、太ももを伝って落ちてくる精液に慌てて風呂へ駆け込んだ。
風呂から上がった後、丹羽さんの姿がどこにも無くただ書き置きが置いてあったのは、もしかしたら関係を持ってしまった俺たちにとって当然の事だったのかもしれない。
丹羽さんはまた、普通にうちへ配達に来てくれるだろうか。せっかく仲良くなれたのにこれで配達地区が変わってしまったら、悲しいなぁ。
残された書き置きをぼんやり眺めた。
《すみません。次の配達がありますので失礼いたします。水分をよくとり身体を温めて、寝てください。》
丹羽圭祐とは.終わり
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