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丹羽圭祐とは⑦※

* そして、現在に至る。ということである。 「丹羽さっ、待って、まっ、ああっ、ん、や、あっ」 いっぱいいっぱいで助けを求める俺になんて丹羽さんは気が付かないようで、いや気が付いていても俺の助けを乞う声なんてむしろ愛しいと言わんばかりに、強く身体を抱きしめそのまま吐息交じりに耳に舌を這わす。 瞬間全身に電流が走る様な快感に、縋りつくよう丹羽さんの背中に腕を回した。 こうなってしまったのは、なにがいけなかったのか。 だって誰だってあんな状況になったら、いいよって言っちゃうだろ。えっ、言わない?…言わないの? 「イトさん…イトさん…はぁ、かわい…、可愛いです。好き、イトさん好き…っ、」 丹羽さんはうわ言のように何度も俺の名前を呼んで、その度に最奥まで腰を押し付けるように突いた。 「にわさ、待って、まっ、て!」 「気持ちよくない?痛い?」 「ちがっ、く、て、大きいから、そんっ、あ、ああ!」 「ここですか?イトさんのいいところ……」 そう言って柔らかな笑みを浮かべると、まるで狙ったかのように、ぐり、とある一点を擦られて視界が暗転した。 「あ゛、!?」 「ここですね。大丈夫、怖くないから、」 「ひっ、あ、あっ、ああ、だ、め、だめ、やっ、!!!」 気がおかしくなってしまうんではないかというほどの快感が息継ぎする暇もなく押し寄せてくる。 ぐりゅ、ぐりゅ、とそこばかりを執拗に攻める丹羽さんはまるで獣のように舌舐めずりをして上から俺を見下ろしていた。 「っ、」 普段からは想像もつかない丹羽さんのその表情に息を飲んだ。 しかしそれも一瞬のこと、丹羽さんは俺の様子を眺めるようにじっと見て瞳を細めると徐ろに乳首を指先で弾いた。 「ひっ、」 「何か考え事?……ねえ、今くらいは、俺の事だけ考えて」 「あっ、あああ、まっ!やっ、あっ、そこ、だ、っあ、あ、あ、ああ、っ、」 逃れられない、ただ与えられるのみの快感にだらしなく口の端から涎が垂れる。 丹羽さんはそんな俺の様子に微笑んで、それを舌で掬うように舐め上げるとそのまま深くまで舌を捻じ込んだ。 「んっんん、んんぅ、っ」 「あー…やば、イきそ……イトさん、ああ、いとさん好き。好きです、かわいい、…ああ…やば、ぁ、」 「にわさ、っ、ん、あ!、まっ、」 胎内で張りつめるように丹羽さんのちんこが一段と大きく膨らむ。 段違いのその質量に息が詰まって、だめ、だめ、と首を振るが丹羽さんはただ蕩けたようなその瞳に俺を映すのみで何も答えない。 ただ腰を深く打ち付けパン、パン、と肌と肌がぶつかり合う音が部屋に響くのみ。 いいところばかりを擦り上げられどうしようもないほどの快感が、抵抗も出来ずにただひたすらに押し寄せてくる。 やだ。だめ。だめ、だめ。 頭はもう回らない。口からこぼれていく言葉の断片は、誰にも拾い上げられることなくただ落ちていった。 「ああ、あああっ、だ、だ、め、だめ、ああっ、だ、!にわさっ、ああっ、あ、あ、」 「っ、イトさ、…イ、く……っ、」 前立腺を擦るちんこがさらに中を圧迫する。抉るようなその快感が上り詰め、ついには絶頂を迎えて目の前に閃光が走った。 全身が痙攣を起こしたかのように俺の意思に反してびくん、びくん、と震える。 そうして張りつめたちんこがはじけるように何度か震えて、腹の上にどろりとした白い精を吐き出した。 深く、最奥に届くようにと押し付けられた腰が、同じタイミングで律動を止めた。 張りつめ限界を迎えたちんこが、胎内で3,4度震える。 胎内に広がっていく熱。 中で尚も名残惜し気に何度か震えるちんこにぞくりと体が震えて、肩で息をする丹羽さんの頬に手を滑らした。 「イト、さ……俺、」 「あ…は、…上司に、怒られちゃいますかね、?」 お客さんと関係持った、なんて。 そう笑えば、丹羽さんは何も答えず、ただ深い赤色のその瞳に俺を映しだして、そこには確かに熱が籠っていた。

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