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第2話

俺とあいつは犬猿の仲だった。それはもう学年公認の。 俺は馬鹿なくせにヘラヘラ笑うあいつが憎らしくて、でもその強すぎる嫌悪感が特別なものに変わっていったのはいつからだったのか。 実はハッキリと覚えている。 あいつは学年一馬鹿で、女に振られては深く落ち込んで、元々力を入れてすらいない勉強や部活もサボるとんでもないアホ野郎だった。 俺は部活では陸上競技で長距離をやっていて、全国へ行った。でも高二に上がった頃から深いスランプに陥ったのだ。 一向に伸びない記録。成長痛で痛む足。どんどん後輩の記録が伸びていく。俺の方が練習しているのに。 なぜ記録が伸びない? 自分の練習方法を見直すところからやり直すことにした。練習だ。 授業の合間の休み時間、部活日誌を広げ、ルーティンの見直しをする。 トントン。ペンの先を机で叩く。 イライラする。 何に? 記録が伸びない俺だ。 でも今一番イライラするのは、教室の後ろでゲラゲラ笑っているあいつだ。 「おいこら!休み時間は休む時間だろーが!! るっせーんだよ!!」 椅子を蹴り飛ばし、机を叩いてあいつを睨みつけた。 あいつはポカーンと、いつにも増してアホな表情をしていた。

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