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第27話※

「あ、つい……ロイさ……やだ怖、」 ボロボロと泣き縋ると肩口を思いっきり掴まれ噛みつくようなキスをされる。 フェロモンのせいか、さっきまで痛くて仕方なかった筈の肩がただ熱いだけに変わった。 「ん、ふぅ……ァ!」 ロイさんも自制出来ていないからか、キスの合間にフーフーと獣のような呻きが漏れる。 その息にすら感じ入ってしまい喉の奥から喘ぎ声が溢れた。 何処かでアツシの肩口の血がついたのか、ロイさんの唇に紅が移る。恐ろしく血が似合う人だ。 ベロリと唇に付いた血を舐めとると味に興奮したのか、そのまま胸に食いつかれる。 口の中が熱いからか、さっきとは比べものにならない程の快感が走る。 「あっ、ア゛ァ!!」 思わず仰け反ってしまい余計に感じ入る結果になってしまった。 「気持ちい?」 「あ、ンぁ……ァっ!!」 ――熱い。 喘ぎの合間に息をするのがやっとで口が閉じられない。口の端がひくりと戦慄いた。 その間に下衣をやや強引に剥ぎ取られる。 「入れるね」 「ひ、ぁ!!」 突然指を埋め込まれ思わず矯声を上げた。ズン、とした刺激が伝わってくる。 ただ指が入ってきただけなのに涙が溢れる程気持ちがいい。 ぐにぐにと指を動かされソファにしがみ付いた。 「……っは、完全にヒートきてるね。()のせい、だけど……っ、」 ロイさんの呟きに何か引っかかりを感じたが考える余裕がない。 ロイさんの汗がポタリと落ちてくる。それにまで感じ入ってしまい、奥が切なく疼いた。 「あ、おく……熱、い……やだ……」 「っ、今煽るの……やめて、」 煽ってない、と言おうとしたが声にならなかった。 カチャカチャと音が聞こえ、ぐったりしながらも視線を少し下に向ける。 見れば荒く息を吐き出しながらロイさんが自身のベルトを寛げている所だった。 「や、まって……ぇ、やだ」 残った理性が嫌だと叫ぶが体は言うことを聞かない。むしろ早く欲しいと声もなく呼ぶ。 「ごめん、ムリ」 「ひ、ァア゛――ッ!!」 濡れているのですんなり入るとはいえ、ミチミチと嫌な音を立ててロイさんが身体の中に入ってくる。 「ぁ、あ゛……っ」 痛くはないが内側から圧迫されて苦しい。でもどうしようもない程満たされる。 あぁ、これが本能(オメガ)かと何故か唐突に理解した。 「動くよ……っ」 「ま、」 待ってと言う前に動き出され、内臓ごと引き摺り出されそうな感覚に悲鳴をあげる。 「あ゛ぁ!ひ、ぁ゛……っ!!」 腰を打ちつけながら、ロイさんは器用にもアツシの胸の突起を捏ね回す。 時折顔を寄せて吸い付いたり軽く歯を立てたりと好き勝手している。 「ァ、あぅ……っやだ……っ」 怖い。怖いのにどこを触られても気持ちがいい。それが更に怖かった。 ぐにぐにと舌で乳首を責め立てられながらピストンされると切なくなる程悦に入ってしまい後ろのソファにしがみつく。 しかし手に力が入ると胸を反らせてしまい自分から快感を追う結果となってしまった。 それでも縋り付くことがやめられずにいるとピストンを続けながらロイさんがアツシに尋ねる。 「ここ、当たってるの分かる……っ?」 ――あ、奥に当たって……っ、 ここ、というところで腰を打ち付けられた。 カチカチと歯が鳴る程の快感が伴う。その衝撃で目の奥で光が瞬いた。 「や、ぁあ゛!!」 奥に当てられるとばちゅばちゅと卑猥な音が鳴る。 それが更に快感を助長するようでアツシはそれから逃れようと髪を振り乱すようにして首を振った。 しかしそれを強制的に引き戻す様腰を抱えられると何度も打ち付けられる。その度に繋がった箇所からズチュズチュと卑猥な音が鳴った。 とどめとばかりに最奥で腰を回されると痺れる様な快感が広がっていく。 それに引きずられるようにしてアツシは三回目の絶頂を迎えた。 「あ゛はぁ……っ」 ガクガクと腰が震え、体を仰け反らせる。 ドクドクと自分のものともロイさんのものともつかない脈打つ感覚が伝わってくるが射精した感覚はない。 見れば自身のものはそそり立ったままだった。 「ん、中でイけたね」 ロイさんの脈を感じながら快感の余韻に浸っているとすぐ顔の横に彼の髪が当たった。 気がつけば目の前には整った顔が視界いっぱいに映っている。 ロイさんアルファの甘いけれど刺激的な辛さを含んだ香りが肺いっぱいに広がる。 ――噛まれたい。 そんなこと思っていた訳じゃないのに本能がアルファを呼んだ。 どくん、 心臓が脈打ったことで自分でもフェロモンが出たのが何となく分かった。 「く……っ、アッシュ君……香り強すぎ……っ」 見ればロイさんの顔が苦しそうに歪んでいる。 それにどうしようもない程煽られて思わずお腹に力が入る。 う、と呻いてロイさんの両の目がアツシを射るように捉えた。その視線にゾクゾクとした快感が止まらない。 「ァ、あ゛ぁ……っ」 「……っ、アッシュ君少し緩めて、くんないかなぁ……っ!」 暑い、と呟いてロイさんは前髪を鬱陶しげに掻き上げた。 そうすることでいつもよりしっかりと目線が合う。 いつも隠されている左目はほんの少しだけ色素が薄かった。 再びどくん、と耳の後ろで鼓動が聞こえる。 あたまがおかしくなりそうだ。

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