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それぞれの机を見ると何通貰ったか聞くまでもなく、皆がどれくらい貰っているのかがわかった。S組の教室はこの下だから教室にもまだ置いている可能性もあるけど、それぞれの机の上には学校で貰ったであろう手紙の束が乗っている。
「わお、さすが鷹司ー」
鷹司に至っては、机の脇に手紙が詰まっているだろうペーパーバッグが二つも置かれていた。それは鷹司お気に入りのブランドのショッピングバッグで、こうなることを見越して鷹司が部屋から持って来たものだとわかる。
普通ならこれって厭味に思ったりするもんだけど、鷹司の場合は大変そうだなとは思えど厭味たらしくないから不思議だ。
「皆、やるなー」
そう言う日向もここに来るまでの廊下で10通近く貰っていて、貰った手紙はコンビニのレジ袋に入れていたりする。俺はと言うと俺に話し掛けたくてもじもじしているようだったり、二人で『渡しなよ』『でもー』とやり取りしている生徒はいたが、結局、ここに来るまで一通も手渡されることはなかった。
やっぱ、俺が無愛想だからかな。
もう少し、愛想をよくした方がいいのかも。
「なあ、それって全部に返事するのは無理だよな?」
気になって鷹司にそう聞いたら、
「いや。学校案内するしないは別にして、返事だけは全てに返すつもりだ」
そんな意外な返事が返って来た。
結局、今日の話題はラブレター企画のものになり、手紙を貰った後のことで盛り上がる。しばらくは生徒会主催のイベントがないこともあり、急ぎの仕事はなく今日の仕事はそれぞれが書類整理するぐらいだ。
「俺は全員を案内したいとこだけど、一人に絞って案内するぞ!」
「んー、僕は親衛隊の子メインになるかなあ。申し訳ないけど、隊員じゃない子を案内したら親衛隊の子が可哀相だし」
それぞれにどうするかはもう決めているようで、日向は出来るだけ多くの一年生を案内すると笑った。俺は例の手紙の子と、純粋に慕ってくれているらしい新入生に絞って案内するつもりだ。
椿野はなるべく親衛隊員じゃない子達を案内するつもりらしく、不知火は手紙で丁寧な返事はしたものの、案内するのに少し物おじしているようだ。風紀の橘と肇先輩は恐らく全ての手紙に返事して、よりすぐった数人を案内するだろう。
それから話題は恋愛の話になり、初めて生徒会メンバーそれぞれの恋愛事情を聞くことになった。
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