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5月 王子と下僕
「それにしてもさー、学校でにゃんこ様餌付けちゃダメでしょ」
「バレなきゃ大丈夫だって」
「バレなきゃって、あんた」
「つーか、バレちゃマズいんだよねー。俺これでも生徒会役員だからさぁ」
「あのバ会長の下なのか?」
先程までの仕打ちを思い出すと、生徒会という組織に対して俺はお世辞にも良い印象を抱けなかった。
何度も言うが、すべてあのバ会長のせいである。
「ひどい言われようだなー。会長と会ったんだね」
「最悪だよあの人。サボるの邪魔されるわ、ケータイ壊されるわ、本当最悪」
「まぁ、そーゆー人だから。うちの会長」
久世ちゃんは、ハハッと笑いながら答える。その姿はどこかあの王子を彷彿とさせた。
「久世ちゃんとてっちゃんって、どんな関係?」
「王子と下僕」
「へ?」
「なんてね」
じょーだんだよとケラケラ笑う姿は、やっぱりてっちゃんに似ている。
「てつとは去年同じクラスでね。今でもよく話すんだよ」
久世ちゃんはこてつの喉を撫でながら、てっちゃんのことを考えているようだ。俺もふわふわした背中を撫でる。こてつは気持ち良さそうに喉をゴロゴロと鳴らした。
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