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第4話

ざわざわざわ…… 耳奥に戻ってくる、カフェ内の喧騒。 「……」 あの時の僕は、突然変わってしまった空気をどうにかしたくて…… 自分の気持ちに向き合わず、樹の言葉を確かめようともしなかった。 多分、怖かったんだ。 越えてはいけない一線を越えてしまったら……もう後戻り、出来なくなってしまいそうで── 「で、愛月の方はどうなんだよ。 ……愛咲から逆プロポーズ、されたんだろ?」 「……」 カラン、と溶けた氷が動く。 その隙間を通り抜け、炭酸の気泡が水面へと立ち上り、しゅわしゅわと音を立てる。 僕の様子を気に止めず、目の前でぺらぺらとよく喋る東生みたいに。 「すんのか?結婚」 「……何でそうなんの?」 口元だけで笑い、東生に冷たく返す。 また色々と口を挟んで、自分の思い通りにしようとする訳? ──どんだけお節介なんだよ。 確かに。真奈美が妊娠がして、樹からプロポーズされたって聞いた愛咲が「私も!」って、僕に迫ってはきたよ。 でも、それだけ。 ……そもそも付き合ってもないし。結婚とか、有り得ないだろ。 写真から視線を外して東生を見上げれば、いつになく真剣な顔の東生が、僕を見据えていた。 「──実を言うとさ。 俺、今でも好きなんだよ。……愛咲の事が」 「……」 東生の告白に、僅かに瞼が持ち上がる。 だったら何で……あんな事したんだよ──

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