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酔っ払い

「で、お前はミレニーとは何処までの関係があるんだ?」 「みれにぃしゃん? かんけぃって、にゃんですか?」  ええっと、ミレニーって誰だっけ? お酒が回って口が回らないのも勿論なのだが、思考回路もぶっ壊れてしまったのか、名前と顔が綺麗に結びつかない俺は首を傾げる。 「ミレニーはお前の恋人なんだろ? 旦那様なんだろう? 大丈夫か? お前、予想よりかなり酒に弱いな、飲ませるんじゃなかった」  ぶつぶつと零す大きな熊のぬいぐるみ、あぁ喋る熊なんてきっとこれは夢なんだな。 「だんなしゃま……だんにゃさまわぁ、しゅごくいい人! だいしゅき!」 「ほぉん? どんな所が好きなんだ?」 「やさしくて、俺のこと対等にあちゅかってくれるとこ? スタイルよくてかぁっこいいしぃ、身分高いのにえらぶらにゃい所とか全部しゅき、だいしゅき」 「まぁ、確かにミレニーはそうだよな……」 「みれにぃ?」 「あのもふもふの尻尾とかたまらねぇんだけど」    俺の頭の中でもふもふ尻尾とミレニアさんが結びついた。あれ? 聞かれてたのミレニアさんの事だっけ? 思い切りライザックの好きな所羅列しちまったぜ。まぁ、いいか、なんかよく分からないけど熊さんも納得してるし。 「みれにぁしゃんのぉ、あのもっふもふの尻尾、気持ち~ですよねぇ、だいしゅき」 「ぬ……ミレニーはお前にはアレを触らせたのか?」 「? なでなでしてぇ、もふもふしましたぁ!」 「けしからん! 俺には一度も触らせてくれた事がないのに!!」 「うふふぅ、クマしゃんも気持ちよさそぅ」 「お!?」  実を言うと目の前にある熊さんの腕が、それはもうもふもふしていてさっきから俺は撫でまわしたくて仕方なかったんだよな。  俺がその腕を撫でると熊さんは困惑気味にこちらを見やる。 「お前……実は節操なしか?」 「しぇっそう……?」  いやだってそこにもふもふがあったらとりあえず撫でるだろ? 触り心地を確かめるだろ? 熊さんの腕の毛は少し剛毛で、あまり触り心地は良くないな。  「お前は身分が高ければ誰でもいいのか!?」 「? だって触り心地は大事ですよぅ?」  毛布だってぬいぐるみだって肌触りが良い方がいいだろ? 「なんて奴だ! ミレニーはそんな節操なしに騙されているのか! やはりお前なんぞにミレニーはやれん!」 「んん……?」  熊さんが何を言ってるのかよく分からなくなった俺はとりあえずへらりと笑って誤魔化してみる。 「その邪気のない顔でお前はミレニーを誑かしたんだな!」  誑かすってどういう意味だっけ? どうでもいいけどなんだか眠いな……

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