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昔からの友達

‘‘会いたくて 会いたくて この胸のささやきが’’ 酔っているからか、音痴が強まるのがちょっと恥ずかしい。 でも、うっすらと聞こえたハモリで音程のラインがわかるようになってきた。 「オリベ、一緒に歌おうよ」 間奏中に笑顔を向けて言うと、ええねぇと優しく微笑み返してくれた。 それからくっつきながら曲を相談して、歌う時は肩を組んで左右に揺れながらデュエットする僕ら。 昔からの友達のようにお互いのジョッキを飲み合い、食べ物はアーンし合う。 何年振りかわからないほどはしゃいでしまったけど……1回死んだからいいよね? 「俺のピアスあげるからさぁ、穴開けようぜぇ」 歌い終わった後、頬にキスをするようになったオリベからの誘いに思わず乗る僕。 「オリベとお揃いなんてうれしいよ」 心から思ったまま言うと、白い歯を見せて笑うオリベに安心しかない。 「そういうとこ、好きやわぁ」 だから、ちょっとトーンが低い声で言ったことも気にしなかったんだ。 左頬に唇を押し付けた後に舌を出したオリベは首へ流れていってから上へ滑らせ、耳に噛み付く。 痛みはあったけど、すぐに気持ち良さに変わった。 それはオリベがチュッチュッと血を吸い始めたから。 「ちょっと……くすぐったいよ」 力が抜けて、ソファの背にもたれてもやめてくれない。

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