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オリベの本性

「黄金の血ってすごいわぁ……めっちゃ美味しい」 「吸血鬼みたいなこと言わないでよ」 ごめんてぇと甘えたように言いながらも今度はペロペロと舐め出すオリベ。 「ヤバイ、吸い尽くしてしまいたいんやけど」 吸血鬼になりきっているオリベの言葉に、それだけ僕に心を許してくれているのだと思うと、嬉しくて涙が出そうになった。 「そこまで言うならやってみてよ」 もうどうにでもして……オリベ。 「じゃあ、俺の目を見て?」 優しい声色で言うオリベに僕は素直に従う。 あどけない顔なのが不思議に感じたけど、それはサングラスがないからだとすぐにわかった。 小ぶりな一重で少し垂れた瞳に釘付けになった僕は触れたくなって手を伸ばそうとしたのに、全然身体が動かない。 「オ、リ……べ?」 口を少しだけ開くだけでも鉛のように重い。 「ごめんなぁ、ほんまに楽しかったんやけど……これが本題やから」 妖しく口角を上げるオリベの髪がいつの間にか数百匹の白蛇に変わっていた。 「じゃあ、遠慮なく……いただきま〜す」 その言葉の数秒後、僕の頭から足先まで布をすり抜けて噛み付いてきた。 ゴクッゴクッと吸われる音に囲まれて、変な気持ちが快感に変わって身体が熱くなる。 「ハァ、ハアッ……アッ、アッアッ」 裏切られたはずなのに、なぜかものすごい達成感を味わう僕。 なぜなら、朦朧としていく意識の中で、オリベの髪色が若々しい赤に変わっていっているのがわかったから。 僕は気が狂ったのか、首に噛み付いていた白蛇を掴み、口へ突っ込んだ。 白蛇は僕の舌に絡みつき、歯列をなぞる。 「ありがとう、オリベ」 僕はオリベの中に溶けるように静かに目を閉じた。

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