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イチジクを熟れさせる
「穴、ほぐしてあるから……挿れて」
僕は白いズボンを素早く下ろしてオリベに向ける。
もちろん、挿れやすいように人差し指と中指で穴を広げながら。
「こんな小さいとこに入るん? イリュージョンやなぁ」
なんて言いながら人差し指を突っ込んできてグリグリとこじ開けるオリベ。
裸のオリベは細マッチョなのに、ペニスはムキムキと隆起していて大きい。
だから、軽く入れただけで肉壁が大きく擦れて、気持ち良さが身体に駆け巡る。
「アアアッ……ア、アッ」
もっともっとと欲しくて腰が揺れたんだ。
「俺の身体って、全部お前でできてんねんなぁ」
朦朧とした意識の中ではっきりと聞こえた。
薄目で見ると、かすかに赤みを帯びた髪が数百匹の蛇に変わっていた。
「俺には……シノブだけやで」
そう愛おしそうに言った後、蛇達が僕の身体の隅々まで襲いかかってくる。
ゴクッゴクッという音がもはや心地いいんだ。
イチジクはオリベではなく、僕だった。
オリベは優しい吸血鬼……僕にはもったいないくらい。
この物語にタイトルをつけるなら、『優しい吸血鬼はイチジクを熟れさせる』かな。
熟れたイチジクは赤い花を中で咲かせる……それがオリベの赤い髪へと変えていく。
イくとわかった瞬間、2回つつくようなキスの後、舌を絡めた僕ら。
いやらしい音を上でも下でも立てながら、僕らは1つなるように溶け合ったんだ。
<完>
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