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第5話 相手のいいところを探し当てるのが、いい男なんだよ?

思わず、俺は木の幹から手を離した。 二つ折りになった俺の身体を、イヌが支えた。執拗な攻めは終わらない。 イヌは己のものを素早く抜いては、再び俺のなかに挿れた。 同じところばかり、イヌのものに擦られる。 静かな林道からややそれた木々のあいだで、俺はイヌに抱っこされている。 時折、誰かが道を歩く音がした。きっと旅人だろう。しかし皆、短い叫び声をあげると走り去った。 おなかのなかが痺れるように疼く。ふんばっていないと、腰からくずれおちそうだ。 「あ、や、いや……なに、これぇ……あん」 イヌなんて! イヌのチ○コなんて! 細長いだけなのに! 貧弱なブツの持ち主に、どうして俺はアンアン喘いじゃうんだよ!? イヌは……まるで、俺の身体を知り尽くしているように腰を動かす。力強い律動に身体が揺さぶられた。 やがて足音がなくなり、イヌが俺を貫くグチュグチュという水音と、俺の嬌声とふたりの息遣いだけが辺りに響いた。 幾度もなかを突かれているうちに、俺のものは自然と反り返り、先走りが滴り落ちた。 「なんで……なんでぇ……ん、ん……」 「はあ、はあ。ももたろう、知らねえのか……? こうやって掘りながら、相手のいいところを探し当てるのが、いい男なんだよ?」 荒く呼吸しながら、イヌは出会ったときと同じように喧嘩腰だけど底抜けに明るい口調で言った。 まだ余裕あんのかよ!? イヌの癖して! 四つん這いになった俺の上に、イヌが覆い被さる。 イヌの鼻息が頬にかかり、俺の鼓動が速くなる。 あ……いつも嗅いでる加齢臭がしない。 獣の臭いだ。野山を駆け回る漢の汗臭い臭いだ。 ……俺、初めて、おじいさん以外の男に抱っこされてるんだ。 「はあ、あぁ、あ……あ」 おじいさんのじゃないのに……血管が浮き出るあの黒々としたイチモツじゃないのに……! こんなに俺のいいところを擦られたら、喘ぎ声が止まらないよぉ……! 「ふ、ここ、真っ赤だな」 「へ? やめ、耳、舐めないで、や、やん」 「ももたろう……おまえ、かわいいな。淫乱で、やらしいことに弱くて……はあ、初めて会った俺と……こうやって、く、流されちまってよお……まあ、俺はお汁を注げれば、万々歳だからいいんだけどよ……」 「い、いや、耳元で話さないで……息が、イヌの息が耳に……」 腰をくねらせ、俺は空を見上げた。 俺たちの汗とお汁を嗅ぎに来たのか、とんびが上空をまわっている。

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