6 / 19
第6話 イヌ汁だ!
俺は両手で、地面の草を握りしめた。指と爪のあいだ、さっき木の皮が刺さった隙間に土が入ってくる。
さっきからイヌに、締めるな、締めるなと言われているけれど、気持ちよかったらキュッキュッ絞まるのは仕方ないだろ!
それが、桃尻ってもんなんだよ!
締めつけがいいのと、艶のよさと、プリプリ感が、ももたろうのケツの証なんだ!
「もも、たろう……満足したか……?」
「イ、イヌ。なに、言ってるんだよ? お、俺がほ、欲しいのはお汁だよ……こうぅ、いう、抜き差しじゃないって……ん、ん」
「は、あのなあ、お汁ってのはなあ、激しく……ん、おまえんなか擦んないと、いっぱい出ないんだよ……ふ、ん……ん。俺がちゃんと、なかをぐちゃぐちゃにしてやるからな、はあ、あぁ」
イヌは呻きながら、俺のなかを好きなように動いている。
……俺は……もう、限界だ。
「あ、あぁ……あ、ん……!」
頭がぼーっとしてきたと思った瞬間、俺は両肘をついていた。頬に土がついた。桃尻をイヌに突き出した姿勢になった。
イヌに揺さぶられるたびに、はだけた着物から覗く胸の突起が、地面に擦れて痺れる。
「もう、や、や、あぁ……あ、あ……!」
俺は身体を震わせ、お汁を放出した。放ったお汁が地面にしみて、どろどろになる。イヌはまだ腰を前後に動かしている。
「イヌ……や、いや……あ、ん」
俺は抱っこされ……いや、犯されながら、着物と身体が泥だらけになっていく。喘いでいるうちに、土臭い味が口内にまとわりつく。
「はあ、ももた、ろおぉ……く、わりぃ、おまえの桃尻……き、気持ちよすぎて……と、とまんね……」
「お、俺の……あ、尻が、あん、悪いのかよ……! いいから、あ……とっとと、お汁出せよ!」
「く……もっと、擦りてぇのに……!」
「おま、なに言って……あ」
身体の奥が熱くなりはじめた。
やった、この濡れていく感じはお汁だ!
俺は唾を飲み込んだ。きた、きた、きた!! イヌのお汁だ!
イヌ汁だ!
イヌ! お汁よこせ!
いっぱいよこせ!
「あ、あっつ、お汁あっつい……こんなに、たくさん……」
あまりの熱と量に、太ももから力が抜けた。イヌが俺の下腹部を片手で押さえる。
「ちゃんと俺のお汁、受け止めろよ。欲しかったんだろ?」
「ありがとう……や、あ、く、苦しい……」
「まだだ。う、う……ああ、はあ、はあ、あ、ああ」
「や、ちょ、ちょっと……イヌ……?」
後ろから、イヌに抱きしめられた。
イヌのお汁はまだ、俺のなかに注がれている。
「ももたろ、う……う。俺のお汁はこれが限界だ……」
「ん、ん……ありがとう……ん、おなかふくれそう……イヌのお汁、すごかった……熱くて俺のなか、溶けそう」
「へっ、悦んでもらえてなによりだ……」
イヌは俺の首筋に唇を這わせた。抱っこされた直後の敏感な俺の身体には刺激的だった。
「ん、ん……」
くすぐったくて悶えていると、強く抱きしめられた。
イヌと俺は、折り重なるように地面に転がっている。
「……イヌ? イヌも汚れちゃうよ?」
「別にいいよ……俺は……仲間だからさ、ももたろう、おまえの」
泥がついた俺の顔に、イヌがほおずりした。
「イヌ、汚いよ!」
いいんだよ、と言いながらイヌは俺の頭を撫でた。
「どろんこになっても俺のお汁欲しがってんのに、ただぶっぱなすなんてかっこわるいんだよ。求めてくれるおまえだけを汚すなんて、俺にはできねぇ」
「イヌの癖に、かっこいいこと言うね」
「ちげぇよ。かっこいいから、かっこいいことが言えるんだよ」
俺はちゃかしたけれど、イヌの言葉にどきりとした。
そっか。イヌって、ただ俺とヤれたらいいって考えの奴じゃないのか。
ともだちにシェアしよう!