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第8話
桃太郎は、覆いかぶさった鬼の棟梁の髪に指を絡め、口付けをする。その間も激しい抽送は続き、息も絶え絶えに口付けを寄せる。
どうせなら、鬼の棟梁は桃太郎の唇と己のそれを重ね、静かなはずの寝室からは、寝台の軋む音のほか、唇同士が触れ合う淫靡な音だけが聞こえてくる。
「っ……駄目、もう、死んじゃう」
「儂も、もう果てそうじゃ」
鬼の棟梁は、まだ誰も受け入れたことのなかった胎に、欲をぶちまけることはせず、桃太郎の腹の上で、その欲をぶちまけた。欲は勢いが止まることがなかった。熱いそれが、腹筋を伝い、へそへ流れる様を見て、桃太郎は臀部を震わせた。これが、体内に放出されていたら、どうなっていたのだろうと思うと、自身の先端からも同じように欲が溢れ出ていた。
鬼の棟梁によって扱かれ、あっという間に絶頂を迎えた。腹の上で、二人の欲望が混じる様を見て、また己のそれに血が集まっていくのを感じた。しかし、同じことをもう一度するのは無理だろうとも感じていた。見えるわけではないが、凶悪な欲望を受け入れていたその淵は腫れあがっているのだろうと思ったからだ。
二人はしばらくの間呼吸を整え、体を清めたところで、どちらからともなく口付けを交わし、再び二人の呼吸は荒くなり、寝台へと沈んでいった。
そんな生活をしばらく続けたため、養父母や三匹の家来のもとに帰る頃には、すっかり棟梁の雌の顔になってしまいましたとさ。
めでたし。めでたし。
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