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ただいま
「ただいま、そんでおはよう。先に飯食ってるぞ」
杜月 がリビングのドアを開けると、在咲 は朝食を頬張っていた。
三日間の出張を終えた在咲は、昨晩遅くに帰ってきていたらしい。
昨晩深く眠っていた杜月は、在咲の帰宅を知らなかった。
「おはよ、俺も……腹減った」
「了解。待ってて、準備してるから」
「んー……終わったら、呼んで」
おー、なんて気の抜けた返事をしてから、在咲はペロリと朝食を平らげた。
茶碗に大盛りのご飯と、具沢山の味噌汁。
焼き魚にサラダに、フルーツを入れたヨーグルト。
朝にしては量が多く、少し張った腹をさすって在咲はふーっと息を吐いた。
それからゆったりと動き出し、食器洗い機に皿を突っ込む。
楽でいいよなぁなんて思いながら、在咲はソファーに寝転んでいた杜月の肩に触れた。
「朝飯終わった、お前の番だぞ」
ゆったりと目を開け、杜月は在咲をじっと見つめる。
それから無言のままむくりと起き上がって、在咲をソファーに押し倒した。
「……いただきます」
杜月は軽く在咲の首筋にキスをしてから、ざらつく舌で舐め始めた。
杜月の口内の熱が移り、在咲はふっと息を漏らす。
それを合図に、杜月は歯を立てて思い切り首筋に噛み付いた。
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