雄の尊厳にイラッとして青筋を浮かばせるのも、つかの間。グチ、ズズ……ッと生々しい感覚と共に、熱い怒張が狭い腸内を無理矢理犯し始める。 「う……っく、……！」 　三初が腰を押し進めると、その凶器がズル、ズ、とゆっくり、しかし確かに体の中を強引に割り開きながら、侵入してきた。 　柔毛がざわめく。 　男に犯されるのだという実感が湧く。 　その予想以上の圧迫感とわざとらしいスローな動きが俺の顔を一気に青ざめさせ、呼吸の仕方を忘れさせた。 「く、っ……はっ……い、嫌だっ……！　痛ぇって……抜けよ、三初ェ……！」 「嘘つき、痛くないくせに。あんだけ慣らしてゆっくりシテやってるでしょ……？　ほら、ちゃんと見てくださいよ。先輩の処女喪失」 「ひっ……いっ……」 　長大な肉棒がゆっくり、ゆっくりと、俺に知らしめるように、ズッ、ズ、と襞を擦りながら腹の中に入ってくる。 　なにが処女喪失だ。男にヴァージンなんかあるか。くそったれの鬼畜野郎め。 「うわ、ぃ、アホ……っ」 　そう罵倒してやりたいのに、今まで感じたことのない強い圧迫感に、俺は唯一自由な首をふるふると緩く振っていやいやをした。 　指とは比べ物にならないほどの大きさだ。 　それを少し挿れては腰を揺らし、慣れさせ、また進める。 　ずいぶん慣らされたことと慎重な挿入だからか、初めて貫かれているのにほとんど痛みがないことが余計に怖かった。 「ンン……っ」 「はっ、やっと半分。流石に女のケツよりキツイな……先輩ジム行く頻度減らして下さいよ。もう少し柔らかさが欲しい」 「うるせぇっ……なげぇ、よ……っ、もうこれ以上は、入らねぇかんな……っ？」 「ダメ、ちゃんと根元まで挿れてあげますから。奥まで突っ込まれる感覚、どんな感じか説明してください」 「知るかこのっ、ふ……っ」 　ニヤリといつものように酷薄に笑う暴君は、俺の意見なんて聞かずにまた侵略を開始する。 　こんなにもミッチリと俺の中に入ってるのに、まだ半分。全部入れられたら喉奥から這い出て来て、口まで内臓を貫かれるんじゃないかと思う。 　その上不穏なことを言った三初は、異物感にすっかりくたりと硬度を落としていた俺の陰茎に濡れた手をあてがって、クチュクチュと緩やかに擦り始めた。 「ぅあっ……ぐっ……も、やめろ……っ」 「言って？　ほら、ちゃんと最後まで言えたら、こうやって先輩のやーらしいコレ、気持ちよくイかせてあげますよ？」 「ん、ひぃっ……いっ、いい……っいらね、いらねぇから、触んな……ぁ……っ」 「学習しない先輩ですねぇ……また嘘ついて。あのね？　俺はこのまま我慢汁お漏らししまくりの先輩をギチギチに縛りつけて放置してもいいんだけど？　でもそんなことしたら明日の朝、アンタどんな目で見られんのかねぇ……？　後ろの穴晒して喜ぶ色情魔だと思われてもいいんなら、やめてもいいよ？」 　──俺の言うこと聞いておいたほうが、気持ちよくってあんたも帰れる。お互いに円満だと思うなぁ。 　フッ、と耳元に息を吐きかけられながら囁かれ、俺はタラ、と冷や汗を流してニヤニヤと首を傾げる三初を睨みつける。 　クソッ、この人でなしの大魔王がッ！ 　絶対、絶対、絶対ッ、これが終わったらぶん殴ってやる……ッ！ 　心で吠えて、そっと顔をそらしてから頷いた俺に、三初は満足そうに笑った。 　こいつの首が今すぐ突然もげてくれ。