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  ◇ ◇ ◇  抜けるギリギリまで腰を引き、ドスッと腹奥の角を突かれる。  内臓が裏側からせり上げられる衝撃に、俺は喉を反らせて後頭部を陶器のタンクに打ち付けた。  勢いがあるわけでもない緩やかなストロークでも、こうされたら痛い。  痛いのに、痛いはずなのに……そんなこと、どうでもいい。 「フッ…ッ、ン……ぅッ」 「シー……先輩のキレボなんていくらでも聞かれて構わないけど、流石にエロボは誰か気になって入ってくるかもしんないですよ」 「ン、ッ……ンッ、ッ」 「ほらほら、頑張って握らないとイッちゃうだろ。頑張って先輩。イッたら終わるよ」 「ッ、ッ、は、ぅ、あ」  耳元でフゥ、と息を吐きかけられる。  トンットンッと鈍くも激しくもない、ただ淡々とした抽挿だ。  そのたびに漏れる声を必死に左手で口元を押さえながら耐え、右手は自分の限界まで勃起したものをキツく握る。  ケツだけでイキそうなほど感じるわけじゃなかったはずなのに──俺はセックス勝負開始二十分で、なぜか敗色濃厚だった。  ……いやこれおかしいだろッ!  三初は宣言通り俺のモノは触らなかったが、肩に乗せた俺の足をなでたり、揉んだり、首筋や胸を舐めたり、探るように触れてくる。  俺はそんなところ感じないが、しつこく刺激されると変な気分になってしまう。  そして今は中を擦りながら俺の腰を掴み、親指で骨の上やくびれ、筋肉の筋を指圧していた。  肌をなぞるだけであったり、強く押しつぶしたり、三初は妙な変化をつけてくる。 「いろんなトコ触ったけど、先輩の性感帯、骨盤の上とか……なんかエロいですね」 「ちっ、うるせ、っん……う、っ」  骨盤の上、窪みと順にグリグリと弄られ背筋を駆け巡る粟立ちについ腰が浮かぶが、逃がさないとばかりに引き寄せられ、ゴツッと深く穿たれた。 「ぁ……っ」 「ふっ、感じた?」  揶揄するような言い方だ。  顔に熱が集まる。  中の肉棒はギチギチと内壁を押し拡げて勃起しているのに、汗を滲ませる程度で涼しそうな顔をしている三初が憎らしい。  我慢を強いられる俺は根元を握ってないと、正直どのはずみで出てしまうかわからないくらい、余裕がなかった。  とっくに昼休憩をとっていい一時間は過ぎてる。早く終わらせないといけない。  でも……この快感を終わらせたくない。  そう思うのも、ムカつく。  だから俺は快感を感じすぎないように、どうにか息を潜める。さっさとこいつをイかせれば関係ない。俺の勝ちだ。  昨日教えられたように意識的に中を拡げ、なるべく深く全長を呑み込み、自分の肉全体で刺激できるように筋肉を波打たせる。 「ふ……いいね、頑張って。あんたが恥ずかしいのとか気持ちいいの我慢してる顔でイキそうなくらい……先輩、最高にかわいくないですから」 「ぅあ、っ……は、なに、どんな顔、すれば、イクって……、っお、ぁっ」 「そんな顔、ですよ」 「あ、ぁっ、あっく……!」  言葉と共に淡々と奥のほうを突いていたモノが急速に退き前立腺付近に狙いをすませて一際強く突き上げ始めたせいで、手の中の肉棒がビクンッ、と膨張した。  下から角度をつけてピンポイントでしこりを狙い、ゴリュッ、とエグい音がしそうなほど容赦なく押し潰す。  こいつ……っ! 俺のケツの感度が上がるまで、一番いいとこわざと外して加減してたのか……っ!? 「んぅ……ぅッ……ぅッ……ふぅ……っ」  俺が握り締めてまで我慢している様を煽るように内側から強烈に突かれ、手のひらの中でくぐもった喘ぎが反響した。  どうにか声を抑えようとしても、反射の勢いで口が開く。  大振りな律動に迷いはない。いつの間にか弱点の場所を把握されていたという事実を、いやでも実感した。  くそ、だめだ。内側から抉られて感じると声が抑えられないということを、こんなことで知りたくなかった。

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