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「ぁっ……はっ…っ……ん、くっ」 「こら、先輩、しー……っ」  ニヤリと歪む口元が酷く楽しそうだった。声が我慢できなくなってきているのが嫌で、必死に俯き顔をそらす。  それほどの快感。握り締めたモノを擦りあげて今すぐに達したい。  もう、我慢できない、けど、我慢。我慢だ。  本当は、イキたくて泣きそう。  声我慢しねぇで好きなだけ喚いて、好きなだけイキてぇ。  快感に流される自分に悔しさもあり、涙は出ないが、目玉の表面が生理的な水分で潤んできた。  手のひらの下で、真っ赤に火照る顔が泣きたい顔にクシャりと歪む。  クソ、射精我慢なんか普通しねぇんだよ。それを生物の本能に逆らって我慢するなんて、無理で当たり前だ。  それほど切羽詰っても意地を張る俺が口元を覆っている手の甲に、勝ち誇った表情の三初がチュ、とキスを落とす。 「ハッ。俺がそれ見てるとイきそうって言ったから、わざとそんな顔してるんですか? 後輩弄んで、悪い先輩……なぁ、もっと見せてくださいよ。手ぇ……どけて?」 「ゔっぅ、ふっ……ン、ンッ」 「嫌? なら首振ったって駄目です。嫌ならちゃんと口で言って」  やや手前にあるしこりを挿入のたびにごりごり押し擦りながら、優しそうな仮面を被った顔を近づけられた。  一見甘い声の誘いだが、俺は何度も首を横に振る。その実従えば、羞恥に塗れながら揶揄されることが目に見えているのだ。  口を押えている手を離したら、みっともなく感じている声が、手のひらに阻まれることなくやつの鼓膜に響く。 (そんなの、駄目だ……!)  プライドだけで意固地に我慢をしているが、実際は情けない。早く、早く、となにを急かしているのか、酷い焦燥に駆られる。  それでも我慢する。  しかし三初は無情にも、抱えた俺の太ももの内側を手でなでながら、もう片方の手で口を塞いでいた堰を掴み上げた。 「っあ! っめ、はっ……ぃいっ嫌だぁ……っ」  途端に唇の隙間から溢れる、耳を塞ぎたくなるほど蕩けたグズグズの媚声。 「すっげぇ、クるわ……っ」  三初は眉を寄せ、心底気持ちよくてたまらないように、ニヤァ、と口角をあげた。  常に余裕を保ち続けていたくせに、ちょっと泣きそうな俺が懇願の勢いで嫌がる顔を前にテンションをあげて笑っている。  こいつ、なにがサドじゃねぇだよ。  ──近年稀に見るドSじゃねぇか……ッ! 「ンぁ、あ、アぁ……ッ」  言葉はもれなく甘く味付けをし直され、文句一つにもなりはしない。  怒る暇もなくグリッグリッと熱い杭で弱いところを抉られ、なんとか唇を噛み、頭を振ってガクガクと悶える。  限界まで勃起し赤く腫れたものの先から、コプ、と白濁が少しだけ溢れた。  それを止めようと手に力を込めると体が緊張し、ギュゥ……ッ、と腹の中がキツく締まる。そして収縮すると中の三初のサイズをリアルに感じて、嫌に気持ちがいい。 「ぅあ……っぁ…っ……う…っ」  すると、頭が霞がかる。  熱い怒張が自分の中を出入りし、襞を擦る快感に媚びてしまう。  それが気持ちいいから、握りしめても止められない白濁液が、また尿道口からトロ、トロと断続的に滴る。  無限ループだ、こんなの。  もう、ずっと出してるようなもんじゃねえか。 「ぁっ、だめ、だめだ、っ……も、突くな……っ漏れる、っ……うっ、っ、っ……っ」 「滅茶苦茶締まって突くたびに中がキュンキュンしてるなぁ……ね、もうイッてるでしょ? ここ」 「ひ……っ!」  ドプッ、ドプッ、と抑えられた勢いで溢れさせながら呻くと、わざとらしく腰を大きく引かれて根元まで一息に押し込まれた。 「これは、ち、違、っ」 「くく、俺ので押したら白いの出てるじゃないですか。ちゃんと見て? ねぇ」  ねっとりと絡みついて痙攣する肉穴を犯しつつ、俺の耳を言葉でなぶる三初。  竿を伝って根本を握る手を汚している白濁液をおもむろにすくい取って俺の目の前でかざし、ネチャネチャと指先で弄ぶ。 「コレ、なんですか? 先輩が気持ちいい気持ちいいってお漏らししてる恥ずかしい証拠ですよね? 言ってくださいよ、コレ。なんて言うの? 無知な後輩に教えてくださいよ、せんぱい」  ねばりと糸を引く、濃厚な白濁液。  わざと俺の嫌がる言い方をして、絶対に指摘されたくないところを指摘する。  コイツはそういう天才なのだろう。天災とも言う。恥ずかしくて死にたい。

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