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それでもそっぽを向き続けていると、ゴロンと横向きに転がされる。
「っンぅ、っうぃふぁぃ……っ」
「イクまで中継してあげますよ、先輩?」
「ぁうっ」
ボスン、と頬がシーツに当たり、筋肉が軋むもどかしい体勢になった。
拘束具のせいで仰け反るような格好のままのため自分の尻のあたりが見えず、なにをされるのかわからない恐怖が、這い寄るように背筋を駆け上る。
ふ、ふざけんな! なにが中継だッ。
ンなこといちいち言われたら、むしろ萎えるに決まってんだろッ!
必死に首を振ろうとしても横倒しにされているせいで叶わない。
状況を把握するため背を丸めようとしたが、それもできない。
「ダメ。逃がさねーよ」
──グリッ。
「ひ……っ」
楽しげな声とは裏腹に喉が詰まった。
丸みのある熟した先端を爪の先で抉られ嬲られると、敏感に育てられた俺のソレはトプッ、と淫液を垂らして喜び出すよう躾けられている。最低最悪なことに、だ。
俺の体はもう半分ほど、俺のものではなくなっている。
抵抗する間もなくすぐに片足を持ち上げられ、勃起したままの屹立をつかみ直した手が、巧みに動き始めた。
「ふあぅ……ッ」
「くくく、すげー。子どもみたいにツルツルのくせに、ち✕ぽだけ大人でいっちょ前にガン勃ちしてる。なんかやらしいなぁ……」
「ンッ……く、ッ……ぅッ……」
「剃りたての股、あんたの汁でヌルヌルしてて面白い。ふっ、エッロいガキですね?」
「ふぁへッ、うぁッ……! ぅぅうッ」
ヌチャっヌチャっ、と竿を伝って溢れた粘液を下腹部で弄ばれ、剃りたての肌がくすぐったさに似た感覚で過敏に粟立つ。
俺がまるで進んで剃ったような言い方しやがって、この極悪サディストが……ッ!
頭はちっともそれを受け入れていないのに、三初の言葉が耳に入るとカァ……ッ! と全身が紅潮して、高ぶる欲が質量を増してよがった。
シーツをくしゃくしゃに乱して悶えるたび背後でチャリ、カチャ、と鎖が鳴るのも恥ずかしい。
無反応でいたいのに俺の身体は勝手にのたうちくねる事実も恥ずかしい。
恥ずかしいだらけなのに萎えない自分が一番恥ずかしくて、必死に睥睨する。
「睨まない睨まない。ほーらエロガキ御割くんは変態ですもんねー? 先っぽグリグリしながら玉揉まれるの気持ちいいねー」
「ふぁっ……! あっ、ぁあ……っぅぁあ……っあ、ああ、っ」
だが睨まれた三初はケロっとして俺をおちょくり、手の動きを激しくした。
そんなことされたらすぐに限界がやってきてしまう。
「あ、っふ、あ、ぉっ、ぉあっ」
「フッ、もうイキそう?」
「っあうぇへ、ぁ……っ」
けれど達しそうになった途端、三初は手の動きを緩慢にした。
──クソ、なんで……ッ!
もう少しだったのに、と無意識に縋るような視線を送ってしまう。
ガチャガチャと鎖の限界まで射精を求めて腰を揺らすが、まともに動けず、ヌル、ヌル、と三初の手に擦りつけるのが精一杯だ。
「ククク……俺がシないとイケないか。よくできました」
「ンぁぅ……っ」
ギシッ、とベッドが軋む。
クツクツと喉を鳴らして笑う三初は、自分じゃイケない俺を甘い視線でなぶって、ついに手を離してしまった。
そんな、と名残惜しさに焦がれる。
思考を奪われる。目は甘く俺を見ていたのに、コイツはどうして正反対のことばかりするのか。
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