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「それじゃあリアリティ的にまずあなたを酔い潰すので、お酒を取ってきますね。テキーラでいいかなぁ。あ、ちゃんとレモンも付けますよ」 「いやち、っあ…ッば、……っのや、ぁあ、ひっぃ……ッ」  ──いや違ぇよバカかコノヤロウそういうことじゃねぇ一刻も早く解放しろッ!  なんて絶叫はやはり、案の定、もうどうしたって、言葉にならずに喘ぎ混じりの謎言語と化すのだ。  酔い潰されれば俺は記憶がトブため、このままでは間森マネージャーになにをされたのかわからないまま、本当に三初にハメ撮りでも送られてしまう。 (そんなことになったら、俺はアイツに殺されっ、……いや、待て。普通に考えれば……す、捨てられちまう……っ)  無常にもバタン、と閉まったドアの音を聞き、俺は冷や汗をタラタラと流してボヤけた頭を振った。  飽きられて愛想を尽かされたり我慢させたりしたくないからここまで来たのに、結果がコレではあんまりだ。  俺はどうにかアナルに呑み込まされたプラグを抜こうと、再度腹部に力を入れる。  けれどミチ、と窮屈な穴を拡げるプラグは、うまく出ていかない。  それどころか力を入れても中を刺激されるとつい力が抜け、思うように排出できないのだ。 「ハッ…ぁ…っ、ぅく……っも、俺から、出てけ、よ……っ」  俺史上、今日が一番、ヴヴヴヴと震えるプラグがこの世で最も憎らしいと思う。  早くしないと間森マネージャーが帰ってくるのに、プラグは僅かずつズズ、と移動するだけで、感じてしまえば戻ってくる。  体だけはプラグが与える快感を感じ、意思とは裏腹に火照っていく。  急いてしまう心が焦りを増長させるほど、状況は好転しないままだ。  しばらくの時間奮闘していると、ガチャ、とドアを開く音がして、ついに間森マネージャーが帰ってきたことがわかった。 「ッ! くそ、が……っ」 「──さて、と……中イキさせて、撮ればいいんですっけ? しましょうか、ね」  コツコツと足音が近づいてくる。  マスク越しの変声機を通した声が冷ややかに響き、視界を塞がれた俺は必死に首を振った。 「やめ、ろっ、もう、抜け……っ、ぁ……あく……っ」 「背中と尻、鞭打ちかぁ……ケツ、血ィでてるじゃないですか。……殺したいなぁ」  通りすがりにツツ……、と冷たい手が鞭で打たれた患部をなでた。 「ま……感じてるみたいですし、まだそのままでいいでしょ。ビデオカメラ、正面にセットしてあげますからね」 「ヒッ……ぐッ…い、やだ、ふ……っ」  プラグの根元をゴツッ、と強かに殴り、僅かずつ抜けていたプラグは再度奥深くに潜り込む。  振動するプラグが前立腺を擦り最奥をノックすると、俺は声を上げて感じてしまう。  括約筋がキュッと締まり、下肢が震え、白濁混じりの蜜を垂らしながら、弾力のある肉棒が跳ねた。  マネージャーの言葉通り正面に三脚が立てられるような硬い音がして、ゾッとする。 (最悪だ……このままじゃ……本当にヤられちまう……っ)  俺は嫌だ、やめろ、撮るな、と思いつく拒絶の言葉を並べ立てて必死に抵抗した。  セックス自体も嫌だが、それよりもそうすることで三初に嫌われてしまうのが嫌だ。  痛みや羞恥、セックスが気持ちよくたって、どうしても物足りないものの正体は〝それを与える者が三初じゃないから〟なのに。

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