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「ん……っ…は、違う……これじゃねぇ、このイクじゃねぇ……っぉ、くっ……」 「違うくないでしょ? たった一回しか出せないんだから、先輩のイクは、これじゃないとダメですよ。ほらもう一回」 「俺は出してぇって、っぁ、ふ……っ」  そうして身震いしながら脱力する俺がやるせない気分で嘆こうとも、三初は勘弁してやる気がないらしい。  ベッドのスプリングを使って跳ねるように突き上げられるたび痙攣する襞が熱い怒張にキュンキュンと絡みつき、ローションと腸液の混ざった粘液がぷちゅ、ぢゅぽ、と卑猥な音を奏でて泡立つ。 「なっなん、っもうイッただっ」 「あぁ。中イキはノーカンで」 「そん、っンっ……ァっ……馬鹿っ……今動くと、中が……っは、ぁっ……ンっ……」  そんなルールは聞いてない。  それがアリなら、俺だけが何度でも昂らせられてイキまくっても全然アリってことになるじゃねぇか。  ──このままケツだけ甘イキ終わらねぇとか、最早イジメだろっ……!  呼吸を整える間を与えず波打つように結合部で餅つきをして遊ばれると、イッたばかりなのにまた湧き上がる。  出して終わるイキ方じゃなければ、敏感になったぶん軽い絶頂が終わらず、俺は慌てて背中を丸めて三初の頭に縋りついた。 「わっ……わかった、からっ……言うとおりにするからっ……ぁっ……ゔも、動くなっ……止ま、止まんね、からっ……!」 「そ? じゃあ、今度こそ俺も楽しめる遊び方してくださいね」 「んっ、んっ」  コクコクと首を縦に振って何度も頷く。最初は三初の体調を案じて動くなと言っていたが、今は自分のためだ。  イッた直後で過敏だとわかっていて炙るような律動が止まって、俺はぐたりと汗ばんだ体をもたれさせた。 「はッ……はッ……ぁ…く……」 「ゴホッ、んん。だいぶ健康体になってきたなぁ。やっぱ熱は多少汗かいて下げたほうがいいんですよ」 「ぉ……ぅ、動くなよ……俺が動くから……お前はダメだ……ん……は……」 「気持ちよく健康になれる共同作業とか、セックスって合理的ですよねぇ。くくく。俺は元々あんま汗かかないんで、意図的に運動しないと、でしょ」 「ンフッ……」  脱力する俺の尿道口を親指の腹でヌトヌトとなでつつ愉快げな笑みを見せる三初に、擽ったくて身震いする。  クソ、それでどうして性的な運動をすることになんだよ。  ド腐れチンコ式健康維持法か。絶対ェ流行らねぇ。詐欺だ。 「ん……三初……」 「俺に合わせて、自分で動いて」  もたれていた体を押して離され、しがみつく腕が解けた。  手を掴まれ、ぐしゃぐしゃに濡れて反り返った勃起を握らされる。 「一緒に楽しむんですから、俺があんま動かないぶん先輩が協力してくれないと。扱きながら、どうイイのかちゃんと口に出して俺に共有してください」 「ぁ、ん……」  いつもより簡単、弱った俺は温いでしょ? なんて錯覚を与えられると、そんな気がしてしまう。  もちろん錯覚だ。温くとも、恥ずかしくさせている時点で三初なのだ。  深く座った三初の上に乗っている俺は赤い頬のまま眉間にシワを寄せた仏頂面で頷き、そろそろと自ら動いた。 「……はっ……ん……ぁ……」  控えめに体を揺すり、達することを許されない哀れな屹立を柔らかく握って、手のひらに当て擦るように手淫する。  俺が腰を下ろすタイミングに合わせて下から突き上げられるため、動きを控えても十分な快楽に溺れられた。  ヌポ、ヌポ、と熟れたアナルの肉を掻き分けて、ちょうどいい具合に一定のテンポで節くれた怒張が出入りする。  たまに先っぽの傘裏で浅い箇所を引っ掻いたり、かと思えば深々と突き刺して、直腸の曲がり角をこねられたり。 「ぁあ……そこ……っふ、クる……」  俺がどう動いても感じられるように調節されるから、腰が止まらなくて、俺は何度も弾んでよがる。 「っ、やべ……先輩、気持ちいいの?」 「ぁっ……あ、イイ……デケェのクる、腹ン中で擦れてまた、イキそ、っに……んっ……イイっ……はぁ……っ」 「くく、そ? んーでもわかりにくいなー。中のどこ? 奥? 手前? それとも真ん中? わかんないんで、ケツ穴全部ずっとジュポジュポ虐めてあげましょうかねぇ」 「っひ、違う、っど、どれもっ……どれもイイ、気持ちいいっ……」 「どれも、どうイイんですか?」 「お、奥は胃が浮くカンジと、背骨……? が、ゾワゾワしたり、腹の中掻き混ぜられてるカンジとか、っが……っふ……真ん中は一生気持ちいい……手前は入り口捲れて、前立腺、ゴリゴリ、当たっ……っあ、やめ、やめろっ……押したら漏れるっ……」 「どうぞ? 俺のベッド防水なんで、なんか漏らすならお好きにぶちまけて。出すとこ縛ってんのに漏らせるなら、ですけど」 「お断りだって、ぉ、ゔ、ぁぐ……っ」  膝が笑いそうになるのを堪えて律動を繰り返し、尋ねられるがまま答える。  濡れた陰茎を夢中で扱けば、皮膚と擦れあってヌチュヌチュと粘着質な音が聞こえた。  伸ばされた手がインナーの上からを微かに尖った乳首を摘んで遊ぶと、むず痒い悦楽に腰が抜けそうになる。 「あ、そこは、ゃ」 「そこってどこ」 「胸、む、っち、乳首やめろっ……そんなとこ抓られて感じンの、変だから嫌だ、ぃ、嫌、乳首……ぁ……ンッ……ンッ……」 「ふ、そうそう、いいね。もっと教えてください。あんたがどう感じるか」 「いやだって、ぁん…っ……っ触んな……! 服と擦れてる、先っぽ、痒い……尖る……っ、ぁ、あ……も、気持ちいい……」  胸をよじりながら俺は、どう気持ちいいからやめてほしいのかを、感じるままに言葉にして悶えた。  別に、三初が言えと言ったのだ。  俺が望んで言語化しているわけじゃない。なのに声に出して伝えると、変なふうにカラダが疼いて熱くなる。  シャツの下で無防備な乳首を強く抓って引っ張り、先端を執拗に指先で潰して虐めたあと、勃起した突起ごと胸筋を揉みほぐすように手のひらが円を描く。 「ふっ……ふっ……おかしくなるんだよ、胸なんか揉まれて……んっ……乳首コリコリ潰されんの、感じて、俺……っぅ、ふっ……ん、んぁ……中も……はぁ……っ」  そんなふうにマッサージされると、布地で尖った乳頭が擦れて、たまらない瘙痒感とそれを引っ掻く快感に痺れる。  それに、男らしくも美しい三初の手が鍛えた筋肉だけで柔らかさの皆無な俺の胸を愛撫している状況を考えると、無性に興奮して、手の中で弾けそうなモノがビクン、と苦しそうに膨張した。  前のめりに胸元を突き出して首を振り、オナニーしながら尻を振る。

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