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「は、あっ……い、今更……指だけじゃイケねぇってんだ、腐れサド、ふ、っ……」 『ま……大丈夫。先輩のケツの感度は優秀だから、リードしてあげればイケますよ』 「バカ、ん……ん、…んっ……ふ、ぁ……っ」  狭く窮屈な内部を懸命に掘削して、指で円を描き、呼吸を調整して緩めていく。  酷く楽観的な三初は通話の向こう側てふぅ、と色を混ぜた息を吐いた。 『やらしい鳴き方、してんなー……』  ほんの小さな声だったが、電子音だからこそ拡声されて俺の耳には届いてしまったらしい。  なんだよ。余裕ぶってても、テメェだって欲情してるじゃねぇか。  俺を弄んでそれで煽られてるなんて、ざまぁない。 (……ってことは、これは、チャンスじゃねぇか?)  ──キュピン、と閃いた。  イコールの察しがついた俺に、少しだけムクムクと反抗心が芽生える。  三初をかき乱す、ご機嫌な作戦だ。  中を犯す指の動きの激しさを増して屹立を擦る手で強く性感帯を嬲ると、粘膜が擦れてクチュ、ヌチュと水音が鳴る。 「あっ…うぁ、っ……んっ……」 『……ん?』  いやらしい音を奏でつつ、首を横に向けて、通話口によく受け止められるようにわざと声を抑えずに喘いだ。  つまり、そういうこと。  三初が俺の声でアガるなら、当てつけのように聞かせてやればいいのだ。  そしてこれを機に、調教されたおかげでいつでもウェルカム状態にさせられていたチョロい俺のケツが、どれだけありがたいかってのを、しっかり理解しろ。  この慢性的いじめっ子め。  ふん、いい仕返しだろ? 俺ばっか乱されンのは、フェアじゃねぇ。  もちろんこれがバカげた作戦だということを理解できるほど、今の俺のオツムは冴えていない。  冴えていたなら、そもそもこんな仕返しは思いつかなかっただろう。  これが三初曰く、ミラクルアホ回路というものだった。 「く…、っひ……、あ、イイ、みはじめ……ぁ、あ……っ」  自分で腰をあげて、直腸の襞をクリームまみれにしながら、熟れたアナルを弄ぶ。  前立腺をどうにか掠めていると、白の混じった淫液がトロ……、とシーツに零れた。  声を上げるほど感じる、なんて、三初の愛撫を思い出せば問題ない。  今俺を追い詰めているのはアイツの指だと自分に言い聞かせて、目を閉じ、後ろと前を同時に刺激する。  声は我慢しない。  口をついて出たものはそのまま聞かせる。  平時ならどんな淫乱野郎だよとキレるところだが、これが仕返しになるのなら別だ。 『へぇ……』 「ん、ん、あ、んぁ……っ」 『俺の指、先輩の中に何本入ってるか言ってみ』 「ふ……っさ、三本、っ……ぁっ、中……っグチャグチャ、って、して、る……っ」  ニヤリと勝気に口角を上げて、頭が快感で溶け始めたまま答える。  もっと言葉で追い詰めてくるだろうという予想に反して、三初は俺の声と音を聞いて笑うだけだ。  仕返しの効果は絶大らしい。  いじめる余裕がねぇってか? 『あーあ。俺、先輩がホテルのベッドで俺の声オカズにケツの穴グチャグチャにしてんの想像して、ムラムラしましたよ。困ったなぁ』 「んぅ……ん、っくく……なぁに興奮してんですか、後輩」  色っぽい艶やかな猫撫で声で俺で感じたことを明かした三初に、俺は気分よく最初に言われた言葉をそっくり言い返してやった。

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