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『でもそのうちそこだけじゃ足りなくなって、根元から全体を扱くわけだ』 「言うなよ、っはぁ…、ぅ、…っ」 『自分で言わないからでしょ? くくく、キスしたくなったら、画面でもしゃぶってて』  俺が必ずキスを欲しがるとからかわれ、ギュッと眉間に皺を寄せる。  根元から先端を絞るように擦り上げて裏筋をなぞると腰が痺れる快感が走り、思わずトーンの高い嬌声を上げてしまった。 『ほら、服の下で乳首勃起してるじゃないですか。触んなくていいんですかね』  その声を聞かれた上でそう言われると、カァ、と足の先まで朱が走って強まる。  全部図星だからだ。  誘う声に操られて空いていた片手をティーシャツの下に潜り込ませて胸の突起を摘まむと、普段は気にもとめない乳頭は、固く芯を持っていた。 「ンッ、ぁ、く……っ」 『ん……自分で触るのも、慣れてきたでしょ。上手ですよ、先輩』 「そん、っ…な、慣れてなんか、ねぇわ、っ」 『嘘つき。爪先で早く掠めるの大好きじゃないですか。股間バキバキになるくらい感じてるくせに』 (こいつ、っほんとに見てねぇのかよ……!)  ことごとく自分の状態を当てられて、慌てて視線を左右にうろつかせて監視カメラ等を探す。  けれど当然ながら、どこにもそれらしいものも三初の姿も見つからない。  乳首からの快感をオカズに三初の声で興奮して自慰をする姿なんて、見られたら悶絶死ものだ。 『ふっ、見てないから早く、続き』 「うぐ……っも、イったら終わりだ……っ」 『そう? じゃ、次は後ろ触ってください』 「なんっ……!?」  射精に向けて高まっていた肉棒が、ビクンッと震える。  ふざけんなコノヤロウ。  そこ触ったら本格的に物足りなくなんだよこっちはよォ……! 「っお前いねぇだろっ!」 『馬鹿犬シュウちゃん。あんた気持ちいいの中でしょうが』 「~~~く、そ……っ」  しかし画面にむかって噛みつこうが三初が図星を突くものだから、俺は顔を真っ赤にしてやけくそになるしかない。  普通にイっても、どうせ中が疼くということはわかっている。  わかっていても叶わないのだから避けていたのに、どうしてそれをさせようとするのか。  おもしろがって虐めているのが、まるわかりだ。鬼畜野郎め。  俺は渋々起き上がってカバンの中から保湿用のジェルクリームを取り出した。  ローションもゴムもないのだから、これは代用だ。流石な唾液だけだと難しい。  クリームをたっぷりとつけて滑った自分の指をそろそろと伸ばし、固く閉じた窄まりにヌチュ、と塗りこめる。 「くそっ、こんな、っ……う、うぅぅ……っ」 『唸らない唸らない。自分の指、俺の指だと思って、ね。入り口ちゃんと解すんですよ。覚えてるでしょ』 「ン、くっ……」  ベッドの上で体を丸めて、言われるがままに後孔を解した。  相当死にたい。  自分で解したことはあっても、後ろで自慰なんかしたことがないのだ。

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