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「はっ……」 「あ……ぁ、あ……」  悲鳴じみた嬌声を上げる喉が枯れても、泣きながら感じ続ける。  五度目の行為の終わりを感じた四肢が、ピクン、と僅かに跳ねた。  顔中が涙と汗と唾液とで悲惨に濡れている。  ブサイクだと笑われるそれも、今日ばかりは仕方がなかった。 「勝手に寝ていいって、言ってませんが……」  ようやく霞程度の理性が戻った三初は、汗が伝う髪を掻き上げ、ベッドに沈む恋人の痴態に息を吐く。  薬のせいで直情的に求めていた言葉や態度が、本来の嗜虐性を持ち始めていた。  三初は腕の拘束を外し、未だ収まりのつかない屹立を俺の頬にヌルリと滑らせた。  息も絶え絶えに重い体を起こす俺は、ボヤける視界に三初を見つけ、歓喜する。  やっと顔が見れた。  三初の顔は、結構、俺の好みのタイプなのだ。  しっとりと濡れる紅潮した面差しで眉根を寄せ、はちみつ色の双眸は潤み、口元が歪に歪む。 「っ……ん…ぅ……」  薬の抜けない蠱惑的な表情に煽られ、俺は弾力のある長大なものに、しゃぶりついた。  口の中いっぱいに広がる雄の味を感じ、肉茎の根元がキュンと疼く。  今日は汗の味がする。  おいしいとは思わない。  思わないのに、喉が先端を飲み込みゴク、と嚥下する。  顎を開いて舌と喉を使ってゆっくりと頭を上下に動かし、収まりきらない幹は手で扱いた。  頭がぼう、として、上目遣いに三初を伺う。  もどかしい動きに焦れた三初は俺の頭を掴み、強引に腰を動かして喉奥を犯した。  気道を塞がれて、息ができない。  息苦しいと後ろが締まり、下腹部がジュクジュクとトロけた。  滑らかな表皮を舌が擦ると、足の間で反り返った肉棒に先走りが滴る。  目じりから涙が伝うと親指で擦られ、熱っぽい視線を交わらせた。  汗や涙や唾液でぐちゃぐちゃに乱れた顔なんて、あんまり見られたくない。  恥ずかしくて目を逸らそうとすると、耳の穴に指を入れられクリクリと弄られる。  口内のそれが僅かに膨張し、胃の中へ直接注ぎ込むように、吐精された。 「ん……ふ、んぅ……」  やっぱりおいしいとは思わないが、俺は余すところなく全て飲み込む。そう躾られている。  チュウ、と尿道に吸い付いて唇を離すと、三初は俺の口内に指をつき入れた。 「んぁ……ぅ、う」 「あー……ちょっと、まともになってきたなぁ……悪い先輩ですよね。俺に、なんか盛ったでしょ……?」 「ゆび、ん、っやめへ、みはぃめぇ……」 「まだヤれるんですけど……流石に俺でも普段なら、これは普通に……有り得ないんで、ね」  ニチュ、ニチャ、と舌を指で弄びながら、頬を伝う汗を拭う。  考える余裕を取り戻しつつある三初は、自分の変化の原因を理解したようだ。 「ん、っぅ、俺、ぁ、らにもひへりゃい(なにもしてない)」 「そうですか。嘘だったら、またあんたの喉を塞いで息止めますよ? いい?」 「っ、ふ、いく()ぃ、やら……っ」 「あらら、なんでかねぇ……」  しらを切る俺にニヤつく三初が首を傾げ、自白させようと追い詰める。 「あのね、我に返ったらさ。我ながら盛りのついたケダモノみたいで、軽い黒歴史な気分なの」  ドン、と体を押され、淫液でむせ返る湿ったベッドに倒れ込んだ。

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