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02(side三初)※微

 イキそうなときの顔とガチでキレそうなときの顔が似ているなんて、難儀な先輩だ。  感じやすいくせに我慢強い先輩は、一緒にイけよ、と懇願している。  素直に口でおねだりできないから俺の名前を呼んで、わかんだろ、と訴えている。  普段ならちゃんと言うまで追い詰めたいところだが、残念ながら俺は特等席から見る先輩のこの顔と声が、まぁ、好きなので、イこうと思えばイケる程度には興奮するのだ。 (はー……ブチ犯してー……)  いつ隙見て犯すかね。  今年いっぱい抱かせて、油断したところとっ捕まえてひっくり返して中イキできるまで丸一日ケツ開発しまくったらイケそうな気がするな。アホチョロいし。  この人は未来で確実に俺が抱く。  そう決めているが、要望はもう一つだけあるので、俺は腕を伸ばして先輩の首にグッと引っ掛ける。 「っあ? ンだよ、この、あんま焦らしたらマジで噛むぞ俺ァ」 「どうぞ? あ、先輩の最中の顔わりと爆笑なんで、恥かきたくなかったら今後一切俺以外に披露しないほうがいいですよ」 「アァ……ッ!?」  ──ま、たしかに俺は抱くほうが性に合ってますが……だからって、あんたの所有権はまるごと俺なんで。  っていうカワイイ意図をしれっと俺語に翻訳して、渾身の笑顔でニマ~っと笑いかけた。  俺語デレワードの単語帳だけをキッチリ紛失している先輩は頭上に!?をいくつも浮かばせるが、説明する気は毛頭ない。  どの世界線でも、どうせ御割 修介は三初 要のものなのである。 ▼オマケ 「は? バックとか舐めてるんですか? それするならガチで俺が抱くんでさっさとケツ出せくださいはいさーん、にーい」 (三初語訳:私はあなたの顔を見なければイケません。逆転しますか?) 「待てコラなんでバックって言っただけでンなキレんだよ嫌に決まってんだろッ!? つかバック嫌なら目隠ししろッ!」 (御割語訳:逆転しません。私の顔を見ないでいただきたい) 「嫌ですけど」 (三初語訳:嫌ですけど) 「なんでだよ!」 (御割語訳:なんでだよ!) 「や、だってつまんないじゃないですか」 (三初語訳:顔が見たいんです) 「お前俺のこと嫌いだろ」 (御割語訳:つまり私との性行為はつまらないのですね?) 「嫌いな人と付き合うほど暇じゃないんで。あーてかそろそろ諦めてヤりましょうよ。めんどくさい」 (三初語訳:顔が見たいんですって) 「ケッ。もう知るか。めんどくさいなら寝りゃいいじゃねぇかバカヤロウ。俺は寝る」 (御割語訳:自信を喪失いたしました) 「ちょっともう、なぁんでそうなるかねぇ。いい年したおっさんがブランケット巻き込んで丸くならんでいいでしょうに」 (三初語訳:顔が見たいって言ってるじゃないですか) 「うるせぇ触んな俺は寝る。話しかけんな」 (御割語訳:明日から性技を磨くべく邁進するため本日は早めに就寝いたします) 「寝かせませんて。んで潜るなて」 (三初語訳:顔見せて) 「……ぐー」 (御割語訳:おやすみなさい) 「狸寝入りやめろ」 (三初語訳:だからこっち見ててって言ってるじゃん!?!?!?)  ~どっちもめんどくさいぞ~  了

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